兵庫県知事再選は「後の祭り」、トランプ会談はどこへ消えた?、不倫と政局

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手練れの業界ウォッチャーが、新聞報道にもの申す!

★兵庫県知事再選は「後の祭り」

 新聞、テレビしか見ない読者・視聴者からすれば驚天動地の結果だったに違いない。パワハラ疑惑告発への対応をマスコミに指弾され、県議会の不信任決議を受けて失職した前兵庫県知事の斎藤元彦氏が、11月17日の出直し知事選で圧勝した。

 逆転当選の最大の「功労者」は、「斎藤氏を当選させるため」と公言して同県知事選に立候補した政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首らSNS選挙に通じた「勝手連」の支援グループだった。

 新聞、テレビが「選挙の公平、公正」に配慮して斎藤氏のパワハラ疑惑報道を控える中、SNSで「疑惑はでっち上げ」などの動画情報を拡散。それが功を奏しネット世論は斎藤氏支持に傾いたとみられる。

「出直し選に臨む大義あるのか」(読売、9月27日)、「反省なき再出馬は疑問だ」(毎日、同29日)など選挙前の社説で出馬する斎藤氏を断罪した大手各社は、立花氏らのSNS選挙戦に疑問を投げかけた。

 読売社説「真偽不明の情報が拡散した」(11月19日)は「選挙で示された民意は尊重されねばならない」と断ったうえで、「亡くなった告発者の名誉を傷つけるような発信が相次ぎ、斎藤氏支持の論調ができた。(略)相手候補を貶めることを狙ったような投稿に影響されて民意が形成されることになれば、(略)民主主義の危機を招く」。毎日社説「出直しは疑惑の解明から」(同)も「誤った情報を信じる人が増えれば、民主主義の基盤である選挙の機能が損なわれかねない」と指摘した。

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source : 文藝春秋 2025年1月号

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