進次郎氏「まさかの……」?、引退・貴景勝への視線、「辞めろ、辞めろ」の大合唱

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手練れの業界ウォッチャーが、新聞報道にもの申す!

★進次郎氏「まさかの……」?

 人気商売は辛いというが、それを追っかける人気の観測商売はもっと悲惨だろう。前者が自民党総裁選で乱立した候補9人とすれば、後者は世論調査に躍起となる新聞。毎日の9月17日の配信記事を読めば、調査に翻弄される悲惨さが浮かぶ。

 題して「小泉進次郎氏、まさかの伸び悩み? 高市氏、勢い増す 自民総裁選」。記事は「党員票動向をさぐる報道各社の調査結果」を元に高市早苗、小泉進次郎、石破茂の3氏が「三つどもえでトップを争っている」としつつも、「自民内で『圧勝するのでは』との観測もあった小泉氏の『伸び悩み』も指摘されており、情勢は混沌としている」と指摘する。続けて「誰が次期総裁にふさわしいかを尋ねた共同通信、読売新聞の各調査結果が16日に明らかになると、永田町には衝撃が走った」とまことしやかに書く。

 他社の調査に乗っかるのもどうかと思うが、何より「まさか」という言い草が白々しい。環境相時代のレジ袋有料化をはじめ、言葉の軽さを突く「ポエマー」「進次郎構文」といった批判はネットにも満ち満ちていたではないか。それとかけ離れたところで、政治メディアが勝手に小泉氏を本命視していただけだ。

 例えば時事通信は13日の時点でなお、上滑りした観測記事を配信していた。自民党総裁にふさわしい国会議員を訊く自社の世論調査結果を引き、小泉氏が8月調査から支持を倍増させ25.5%を記録、「昨年12月以来、9カ月ぶりにトップを奪還した」と高らかに謳う。筆者は解説委員長というが、政局を深掘り解説するベテラン記者が「人気」に縋るようでは、多くの自民党議員と同様、メディアが「まさか」と驚くのも致し方ないのかもしれない。

 ただ、読者が本当に「まさか」と思うのは別のことだろう。毎日が引用した16日の読売の朝刊記事は「党員票と議員票の合計では、高市、石破両氏が123票で並び、小泉氏が105票で追っている」と書く。あるいは、朝日の18日朝刊記事も「総裁選 決選投票は確実」「支持動向調査 議員票が分散」と題し、意向を確認した「票」の数を挙げる。小泉氏46、小林鷹之氏43、林芳正氏37、茂木敏充氏34、石破、高市両氏30、河野太郎氏26、上川陽子氏22、加藤勝信氏21。

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source : 文藝春秋 2024年11月号

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