企業・団体献金論議にうんざり、新聞記者の働き方改革、不支持だが辞任の必要ない?

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手練れの業界ウォッチャーが、新聞報道にもの申す!

★企業・団体献金論議にうんざり

 徒労感が募る議論だった。裏金問題で追い込まれ政策活動費廃止などで譲歩した自民党が、なりふり構わず死守を図った企業・団体献金の禁止を巡る臨時国会での論戦である。

 立憲民主党は「1994年の政党助成法成立時、助成金導入の代わりに廃止の方向となった」と政治団体を除く企業・団体献金の禁止を求めたが、石破茂首相は「そのような事実はない」「企業・団体献金がなくなるという意識を持った者は自民党にはいなかった」(2024年12月5日、衆院予算委員会)と反論。企業による政治献金の自由を認めた70年の最高裁判決を盾に「献金禁止は憲法に抵触する」(10日、同)とまで強弁した。

 6日の毎日と東京の社説は立憲側主張に立って「あきれた首相の消極姿勢」(毎日)、「温存を画策する無反省」(東京)と厳しく首相を批判。朝日も7日の「ファクトチェック」で、当時の河野洋平・自民党総裁の「5年後に見直しという条件で企業献金を廃止することで合意できた」との証言などをもとに首相発言を「ミスリード」と断定。12日社説「自民は野党に歩み寄れ」で「企業献金を固守するための我田引水」と指弾した。

 逆に、首相を擁護したのが読売。論戦が始まる前の11月26日の社説で、労組からの献金確保の狙いがうかがえる立憲の政治団体献金除外案を「ご都合主義が過ぎる」と断罪。12月14日社説では「当時の改革の根底には、健全な政治活動を支えるうえでは企業・団体献金と個人献金、政党交付金の三つの資金源をバランス良く組み合わせることが望ましい、という考え方があった」と指摘した。産経も「企業・団体献金を禁じるよりも、透明性を高め、政治資金の流れを国民の監視下に置くことが本来あるべき姿」(13日、「主張」)と同調。日経社説は臨時国会での「企業・団体献金」議論自体、取り上げなかった。

 参政権のない法人(企業)に政治的「表現の自由」を認めた最高裁判決の是非はさておき、献金目的が「会社の利益を図る」なら贈賄、「利益目当てでない」場合は経営陣に背任罪が成立する余地がある企業献金は本質的に筋が悪い。しかし、現実に政治にカネはかかるとして、94年改正の後、企業献金禁止論は事実上棚上げされ、情報開示が強調されるようになった経緯がある。

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source : 文藝春秋 2025年2月号

genre : ニュース 政治