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「のど」「がん」「症状」で検索 その違和感の正体は「咽喉頭神経症」かも?

古代ギリシアの時代から連綿と続く「のどとストレスの闘い」

2019/04/27

「のど」に違和感を覚えたことがありませんか。

 のどの奥に何かがあってつかえるような、飲み込もうとすると邪魔をするようなイヤな感覚。「これはがんではないだろうか」とか、「いまお餅を食べたら窒息してしまうのではないか」といった不安を招くこの違和感、じつは精神的なストレスが影響して起きる症状であることが多いのです。

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「もしかして、がん?」日常に頻発するのどの違和感

 Iさん(29)は、1週間ほど前からのどの奥に不快な症状を感じていた。のどの奥のほうに何かが引っかかっているような感覚だ。本当に何か引っかかっているのかと思って、ご飯を丸飲みしてみた。魚の小骨なら取れるのだが、今回は効果がないようだ。

 ただ、この違和感はつねにあるわけでもない。仕事が忙しい時などは忘れていることもある。でも、気が付くとその症状は確かにそこにある。

「もしかして、がん?」

 深夜、ベッドの中で不安に駆られた彼は、スマホで「のど」「がん」「症状」と打って検索してみた。すると、「咽頭がん」などという不穏な言葉が出てきた。

 彼の不安は最大値に達した。

 眠れぬ夜を過ごした翌日、午前中だけ会社を休んで耳鼻咽喉科を受診。色々と診てもらった末に下された診断は「咽喉頭神経症」。早い話が「気のせい」だったのだ。

違和感の正体は「ストレス」なんてことも

山川卓也医師

「耳鼻咽喉科を受診する人の中で、咽喉頭神経症の割合は決して少なくありません。精神的なストレスが影響して“のどの違和感”という症状を引き起こしているのです」

 と語るのは、東京・北青山にある山川耳鼻咽喉科医院の院長を務める山川卓也医師。詳しく話してもらおう。

「症状としては、嚥下(飲み込み)時の違和感、のどが締め付けられるような感覚、あるいはのどの奥に“ボール”が存在するような閉塞感を訴える人もいます(「ヒステリー球」ともいう)。でも、実際には病変などの異常はない。だからご飯を丸呑みしても意味がないのです」

 ならばなぜ、「違和感」という症状が出るのか。

「食べたものや唾を飲み込む時、甲状軟骨(のどぼとけ)が上下に動き、これに連動して喉頭蓋(気管の蓋)が閉まることで、食べたものなどが食道に送られます。この一連の流れは本来無意識に行われているのですが、ストレスなどで知覚過敏になると、これを“違和感”として意識することがある。のどは、熱いものや固いものなどを通すたびに刺激を受けているけれど、通常はそこに意識が向けられることはありません。ところが、知覚過敏になることでそこに意識が集中して“違和感”が生まれるのです」

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