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トヨタ創業者の銅像に小学生が献花
あいトリには直接関係ないけれども、豊田市に来たからには、豊田市役所に立ち寄るのもいい。というのも、そこには興味深い「作品」があるからだ。
それは、トヨタ自動車の創業者・豊田喜一郎と、この地にトヨタを招いた旧挙母町長・中村寿一の銅像である。銅像の前では、今年3月にも「親族や地元関係者、小中学生ら約450人が集まり銅像に献花。先人の偉業に思いをはせ」たという(「トヨタ創業者の顕彰祭、450人が献花」『日本経済新聞』2019年3月2日)。
なるほど、豊田市の現状を考えれば、両名はまさに偉人にちがいない。それにしても、並び立つ男性2名の銅像は、北朝鮮の万寿台大記念碑をほうふつとさせる。
単純に両者が似ているというわけではない。むしろ個人を顕彰しようとするとき、人類が用いられるパターンは限られているということだろう。
銅像については、駅前広場(新とよパーク)に展示されている小田原のどかの「↓(1923-1951)」も深く関係している。これは、かつて東京・三宅坂にあった寺内正毅元帥像の台座の再現である。そこにのぼると、みずからが銅像になった奇妙な(拭いがたい滑稽な)気分を味わえる。
なお当の寺内元帥像は、戦時下の金属供出で撤去された。残された台座は戦後、低く修正された上で、「平和の群像」という裸婦彫刻の台座に流用された。これは現在でもみることができる。