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「何をかいわんやだ」 朝日師匠の小言が爆発!

《JOCはおざなりの調査をしただけで、説明責任を果たそうとしない竹田氏をいさめることもしなかった。結局、社会の信頼を失い、五輪直前の会長交代という異例の事態を招いた。かわって登場した山下氏の「改革」の初めが理事会の非公開とは、何をかいわんやだ。》(8月26日)

 出ました「何をかいわんやだ」。今どき社説でしか出会えない用語である。たまらない。

 竹田前会長の贈賄疑惑の大事な点は「公共性の高い組織や人物が裏で何をしていたのか」ということである。

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JOC会長退任を表明する竹田恒和氏 ©AFP/AFLO

 それなのに、《公益性の高い組織と「公人」というべき理事らが、密室でなければ議論ができないという。そんな旧態依然とした意識で、人々の理解を得られると思っているのだろうか。》(朝日社説)

 朝日師匠の小言が爆発。

公文書管理に取り組んでいるかと思いきや

 それにしても今回の山下会長の「改革」って何かに似てるなと思ったら、例えばこれだ。

「経産省 議事録不要 『国民向いていない』身内から批判」(毎日新聞2018年8月30日)

 これは去年の記事だが、《経済産業省内で「議事録不要」を呼び掛ける文書が配布されていた》というスクープである。誰がどんな発言をしたのか。核心部分が公文書から消えようとしていると。

 文書を受け取った経産省職員の声も載っていた。

《「官僚は業務慣行として、政治家が何を言ったか、正確に記録してきた。『議事録を残すな』という指示はそれをやめろ、という意味。強力な圧力だと感じる」と話す。(略)国民の方を向いていない証拠だ」と嘆いた。》

 毎日新聞は「公文書クライシス」というシリーズを組んで昨年の年明けから追っている。

 最近だと「年200回面談記録作らず 内閣官房、首相・長官と」(8月21日)というのもあった。

©iStock.com

 これらを読んで感じるのは、モリカケ問題を反省して公文書管理に取り組んでいるかと思いきや「モリカケで後悔したからその教訓を生かそう。ますます秘密に」という方向になってるとしか思えないことだ。

 そして今回はJOCである。竹田前会長の件で反省してるようで、実はさらに密室を欲しているように見えてしまう。

 もう昔ながらの「本音は密室でこそ言えるおじさん」ではなく、オープンな女性4名に改革してもらったらどうでしょうか。