「権力」の源を十分自覚している昭恵さん
話を戻す。
この本を読むと昭恵さんは本当に楽しそうだ。人目を気にしていた第一次政権の反省から「自分の心にまっすぐに」行動したら各地で歓迎されたからだ。嬉しいに決まってる。
しかし気になるのは「個人」を全開にしているようで「首相夫人」という看板を出して庶民がありがたがっている様子に満足げなところだ。自分の「権力」の源を十分自覚している。
そしてさらに今回わかったこと。過去の「安倍昭恵氏の思想」記事やルポ、インタビューを読んでみると、この時期でもいろんな人に会い、全国を飛び回るのは「私がみんなに元気を与えられる」という強烈な自分信仰があるように思えるのだ。
「アメノウズメ」に因んだ居酒屋「UZU」
著書では昭恵さんが経営する居酒屋「UZU」についても書かれている。
《そもそも、UZUという店名が、古事記の天の石屋戸のエピソードで活躍する、アメノウズメという神様に因んだものです。》
《天の石屋戸という洞窟にお隠れになってしまったアマテラスオオミカミを外に連れ出そうと神々が画策した“大宴会”で、アメノウズメがおもしろおかしく踊り狂い、まんまと計画を成功させた、というあのお話です。》
昭恵さんは「石屋戸を開いて世の中を少しでも明るくしたい」「新しい価値観を発信し、世の中に新たな渦を巻き起こしたい」と述べている。
そういえば今回昭恵さんがドクタードルフィンのツアー一行と訪れた宇佐神宮は「一説には卑弥呼の墓があるとも言われる」(「週刊文春」4月23日号)という。
アメノウズメとか卑弥呼とか、もしかして自分もその系譜だと思ってないだろうか? だとしたら壮大な勘違いである。
昭恵さん、家にいてください。