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 太陽をじかに見てしまった後で、網膜にダメージが及んでいるかどうかを見る方法がある。「アムスラーチャート」とよばれる碁盤のような図を、30センチほどの距離から片目で見る方法だ。網膜に異常があると、図が欠けたり歪んだりして見える。チャートがないときは新聞の株式欄でも同様の簡易検査ができるので試してほしい(新聞を使う場合は、文字を読もうとするのではなく、模様として眺めるのがコツ)。

日食グラスは「透過光線量」を確認すること

 安全に日食を見る方法はあるのだろうか。 

「“日食グラス”とか“太陽グラス”といって、太陽を眺める時に使う専用の眼鏡があるので、それを使えば問題はありません。100円ショップなどでも売っていますが、中には粗悪品もあるので注意が必要です。透過光線量が可視光線0.003%以下、赤外線3%以下であることを確認してから使ってください。これを付けて『蛍光灯のあかりが見える程度』であれば大丈夫でしょう」

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 これよりもっと安全な日食観賞法として、太陽を直接見るのではなく、光を通さない紙に小さな穴を開けて、その穴を通して地面や白い紙の上に影をつくる方法もある。

「日食が始まると、穴を通して写し出される太陽の形もちゃんと欠けてくるので、目にダメージを及ぼさずに日食を楽しむことができます」

日食グラス越しに望遠鏡を使うのはご法度

 逆に、絶対にやってはいけない日食観賞法は多い。中でも多くの人が間違った認識をしているのが「サングラス」だ。

「サングラスをかけて日食を眺める人の多くは、『紫外線をカットしているから大丈夫』と考えているのですが、太陽の光は紫外線だけで構成されているわけではありません。日光の構成比率は、可視光線(目に見える光)が52%を占めるのに対して、不可視光線(目に見えない光)として赤外線42%と紫外線が6%。そもそも太陽の光がまぶしいのは可視光線によるもので、紫外線がまぶしいわけではないのです。紫外線に対して悪いイメージを持つ人は多いようですが、可視光線には悪名高い“ブルーライト”が含まれ、いずれも日光に強く含まれているので、太陽を直接見てしまうと目にとっては有害なのです」

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 先にあげた日食専用の眼鏡は、この可視光線もカットしてくれるので、目に対するダメージは大幅に低減させることができる。

 とはいえ、日食グラス越しに望遠鏡を使うのはご法度だ。

「望遠鏡は光を集める働きを持っているので、日食グラスを通してもなお、エネルギーが強過ぎます」