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 ヒョウ柄のスカーフを首にかけ、ノリノリで踊る小池。電気料金とCO2削減のために、白熱電球2個とLED電球1個を交換するキャンペーンだ。スタートは都議選後の7月10日だが、そのタイミングでの露出は、選挙を意識したものに違いなかった。動画制作に2000万円が使われた。

 調子に乗るのも結構だが、問題はその効果だ。目標は1年間で100万個を交換するとして15億円の予算を計上したが、地域活性化を狙って小規模電気店に限定したために浸透せず、やがて大規模店まで拡大。白熱電球を1個にしたり、LED電球を高額なものにしたりするなど迷走し、1年半後の18年12月、74万個の交換で予算を使い切り、終了している。

 いったいどこが小池の好む「ワイズスペンディング」なのだろう。

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小池百合子も「池の水ぜんぶ抜く」

 この傾向は、衆院選に敗北した後、顕著になっていく。

 18年度予算で小池が2億2000万円の予算をつけたのが「都立公園の水辺の再生」だ。在来種保護の目的で、都立公園の10の池で池の水を抜く「かいぼり」を実施するというものだ。

 環境問題をライフワークとする小池らしい問題だが、わかりやすい伏線があった。18年1月2日、人気番組「池の水ぜんぶ抜く大作戦」(テレビ東京)のスペシャル版が放映されていた。その2日後の仕事始めの日、財務局の各課長が小池に予算原案について説明したのだが、その時小池は突然「かいぼり」の話題を出し、「お宝出てくるかなあ」などと上機嫌だったというのだ。

「小池知事自身が、その番組に出演したいようなのです」(都幹部)

 それはあっさり実現した。4月22日放送分に小池は登場。日比谷公園の心字池で、ボーダーのシャツに胴長を着て参戦。顔に泥をかぶり、キャーキャーと笑いながら奮闘した。作業をともにした俳優の的場浩司は、

「かわいらしかったね」

 と感想を述べた。小池の好感度を上げる目論見は成功したようだ。

今年7月に入り、東京都で感染が再拡大し記者会見する小池都知事 ©共同通信社

「ブラユリコってできないかしら」「MXじゃあねえ……」

 さらに小池は、特別秘書の宮地美陽子にこんな指示を出したという。

「ブラユリコってできないかしら」

 もちろん「ブラタモリ」(NHK)を模している。宮地らは各テレビ局の打診に奔走。単なる出演ならともかく、「コーナー」や「番組」を持つとなると、さすがにテレビ局側も躊躇した。ようやく宮地は企画に漕ぎつける。

「MXならできるそうです」

 MXは都も出資する、東京ローカル局だ。

「MXじゃあねえ……」

 と、小池は断念したという。

 小池は平昌五輪にも食いついた。2018年1月には、出席する理由がないとして視察はしないと明言していた。外遊の費用がかかるので賢明だ。ところが2月23日の会見で、突然、視察に行くと発表したのだ。

「議会の皆様から『是非見てきた方がよい』というお話をいただいた」

 実際は、一部の都民ファ議員と雑談していた際に話題にのぼっただけだった。総理の安倍が2月9日の開会式に出席し、北朝鮮高官と言葉を交わすなど、存在感を示した。それに小池は触発されたのだろう。

 小池は定例会会期中の間隙を縫ってまで平昌パラリンピックの視察に出かけたが、さして効果があったとはいえない。

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