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再興感染症

 治療法がある程度確立しているにもかかわらず、結核の感染率はなかなか下がりません。それどころか、1999年には一時期結核患者の罹患率が増加に転じ、国が「結核非常事態宣言」を出すまでになりました。

 2015年の結核罹患率は10万人あたり14人と先進国の中でも高く、日本は「結核中蔓延国」と位置づけられています。教育機関や医療機関、介護施設などで集団発生が報告されていますし、多忙な中高年が感染を見過ごして感染を広げることがあり、健康診断や不調者の受診を確実に行なうよう呼びかけられています。

貧困層に結核が広まりつつある

 結核はかつて、支援政策が軽視されがちな、飢えや栄養不良に苦しむ人々を窮地に追いやってきましたが、現在でも貧困層に感染を広げています。東京都でもホームレスや日雇い労働者の間で結核が増加しており、国内でも確実な対策や支援が必要です。

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 2018年時点で、世界中で年間1000万人以上が結核を発症し、160万人が亡くなっているとされています。南アジア・東南アジアやアフリカで罹患率が高いだけでなく、アフリカではHIV患者の間で結核の感染率が増加していますし、旧社会主義国では予防接種や防疫の体制が弱体化したことから結核の感染率が上昇しました。このため、世界的にも再興感染症として対策が急がれています。

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