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元TOKIO山口達也容疑者が触れた「交通警察の逆鱗」 警視庁はなぜ異例のガサ入れに踏み切ったのか?

2020/09/29
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逮捕が「秋の交通安全運動」期間中だったことが……

 実際、1.8リットルの麦焼酎の紙パックが押収されたが、捜索がなければこうした証拠もなくなっていた可能性が残る。警視庁は釈放が許可される前から事態を見越して家宅捜索令状を請求していたようだ。

 ただ、「それだけではない」とみる向きもある。

 交通警察に明るい捜査関係者は、9月22日という時期が影響した可能性を指摘する。「9月の21~30日は、全国の警察で「秋の交通安全運動」の真っ最中。ドライバーならみんな経験があると思うが、この時期は普段なら取り締まらない交通違反でも積極的に取り締まることで交通安全を保つ期間。そんななかで、一発で免許取り消しになる飲酒運転をされるのは、交通警察のメンツにかかわる。元芸能人が逮捕されたとなれば、安全運動中のキャンペーンにもなる」と話す。

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家宅捜索を終え、山口達也の自宅マンションを出る警視庁の捜査員(9月24日午後11時47分、東京都内) ©共同通信社

 そもそも呼気1リットルあたり0.7ミリグラムというのは、通常であれば、相当酔っ払っていてもおかしくない量だ。酩酊状態での運転に適用され、より罪の重い「酒酔い運転」ではなく、「酒気帯び運転」で逮捕されたということは、警察官に対する受け答えなどがしっかりしていたことを示し、山口容疑者が酒に強いことを意味する。

 相当の酒量を飲んで運転したにもかかわらず、逮捕容疑は酒気帯び運転にとどまり、しかも酒が残っていた自覚しだいでは無罪の可能性すらある——。そうなれば交通警察のメンツはさらに丸潰れ。家宅捜索でもして証拠の一つや二つ押さえなければ危ういだろう。

警視庁 ©iStock

 交通警察の逆鱗に触れてしまった山口容疑者。通例なら略式命令で罰金30万円程度の処分とみられるが、ここでも異例の処分が下るか。目は離せない。

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