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「差別ですよ」「それならもう携帯はいらない」ガラケーサービス終了に抗議する愛用者の「言い分」

2021/05/17
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ガラケーのサービスが終了したら「携帯自体を持たない」

 もっとも、内山さんや鈴本さんには残念な話だが、ガラケーを使えなくなる日はそう遠くない時期にやってくる。多くのガラケーが使っている3G回線のサービスが、大手キャリア3社で終了するからだ。NTTドコモは2026年、auは2022年、ソフトバンクは2024年までしか3G回線のガラケーを使えない。

 そのときガラケーこだわり派の人たちはどうするのだろうか。内山さんは、「ガラケーのサービスが終わるなら、私はもう携帯を持つこと自体をやめる」という。

「無理して携帯電話を持つ必要はないと思うんです。家に電話があれば十分。どうしてもメールを送らなければならないときは夫にスマホでやってもらえばいい。勤務先からもガラケーを支給されているんですが、それがスマホに切り替わるとき私は定年になっているはずです。近所に買い物に行くだけの生活なら、携帯がなくても何も困りません」

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 それに対して「ガラケーがなくなるなら、そのときはスマホを使わざるを得ない」というのは鈴本さんだ。筆者から3G回線サービス終了の知らせを聞いた鈴本さんの表情には、怒りとショックがありありと見て取れる。

「山奥で自給自足の生活をしているわけではありませんから、世の中がデジタル化してしまう以上、非常に不本意ですが、スマホを使う以外ないでしょう。行政手続きもスマホを使ってオンラインで行うようになりますからね。

 でも、これはガラケー愛用者に対する差別ですよ。『怒り』のひと言です。まあ、融通の効かないオヤジのたわ言ですが……」

©️iStock.com

 近い将来に3G回線のサービスが終わるとき、菅首相や二階幹事長といった政界のこだわり派もスマホに切り替えるのだろうか。そのあたりも気になるところだ。

2020/5/17 20:25……読者からの指摘を受け、一部内容を修正いたしました。

「差別ですよ」「それならもう携帯はいらない」ガラケーサービス終了に抗議する愛用者の「言い分」

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