東京都議選ですが、翌日(7月5日)の新聞に多かった見出しはこちらです。

『勝者なき 首都決戦』(日経)
『勝者なき選挙戦』(朝日)
『揺れる民意 勝者不在』(東京)

 

 NHKの朝のニュースでも「勝者なき」と解説していました。どうやら都議選の結果を「勝者不在」というのがトレンドみたいです。

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 でも本当にそうだろうか?

唯一ポジティブな見出しがつかなかった政党は…

 実は、各政党についてのポジティブな見出しは結構あったのだ。

『都民フ、議席減も「善戦」』(日経)
『公明、全員当選に手応え』(産経)
『立憲・共産 共闘手応え』(毎日)

 などなどたくさん。バカ勝ちした党はなかったものの、都民ファースト・公明・立憲・共産についてはポジティブな見出しや評価も結構あったのである。

 しかし一党だけなかなかポジティブな見出しがみつからない政党がありました。薄々気がついた方もいるでしょうが自民党です。

『国政で批判 自民伸びず』(読売)、『自民想定外の失速』(毎日)、『接種混乱・政治とカネ・五輪…政権不信』(朝日)……。

第一党になったのに「勝った空気」がない自民党

 さらに政府与党の声を各紙で追うと、

「予想外の結果だ。このまま行くと、衆院選は危ない」(執行部の一人・読売)
「大敗北だ。言葉もない」(閣僚の一人・朝日)

 いかがでしょうか。僅差で第一党になった自民党には勝った空気がないのである。菅首相は周囲に「何とか50議席取れればいい」と勝利の手応えを語っていたそうですが(読売7月5日)、実際は33議席だった。これは民主党に政権交代された2009年の38議席を下回る。

 つまり、今回の都議選は「自民党だけが思いのほか負けた」と読めるのだが、違うのだろうか?

 これを「勝者不在」と文学的に言ってやった感を漂わせ、うっとりしてる感じの報道って何でしょうか。そりゃNHKは菅さんに強く言えないでしょうが新聞はそのまま書いてもよかったのでは。

 さて都議選の期間中、しみじみ感じたのが「オヤジジャーナルと政治家・小池百合子の相性の良さ」です。

 ※私は夕刊紙、タブロイド紙、一般紙の政治面を「おじさんがつくっておじさんが読む」オヤジジャーナルと呼んでいます。子どもの頃から大好物です。