創業128年、京都ではまだまだベンチャー
――たしかに、京都は代々続く家業が多いですが、128年続いているのはすごいことですよね。
「いえいえ、知り合いには何十代も続く家業を継いでいる方がたくさんいますから。例えば、池坊美佳さんは学生時代の同級生で、池坊さんは創業から560年くらい続いていますよね。友人の扇子屋さん・白竹堂さんはこの前300年記念をやってはりましたし、八ツ橋屋さんのように300年くらい続いているところもあります。我々なんてベンチャー。老舗や言うてたら笑われてしまいます」
――創業128年でベンチャー企業とは、京都は恐ろしいところですね。先ほど、いいお酒を造り続けるしかないとお話しされていましたが、新しく開発されたお酒やおすすめのお酒を教えていただけますか。
「昨年、新たに発売した『古都のリキュール 檸檬』と『古都のリキュール 柚子』は香料、着色料、合成保存料無添加。酒屋さんの出すリキュールは日本酒ベースのものが多いのですが、日本酒は『柚子』に少し入っているだけ。『檸檬』には使っておらず、素材を生かしたリキュールに仕上げています。お酒が飲めない方におすすめしたいのは、ノンアルコールの『白い銀明水』。梅の入ったさっぱりと甘酸っぱい甘酒の飲み物で、まさに夏にぴったりです。定番の日本酒としては、『聚楽第 純米大吟醸』をおすすめします。京都の契約農家さんの山田錦というお米を使っていて、香りがよくすっきりと飲みやすいので、食前にも食中にも楽しんでいただけます。聚楽第シリーズはいろいろとあるんですが、限定品は香りに特化した繊細な味わいが多いんです。今回ご紹介した『純米大吟醸』はお米の旨味がふわっと口に広がるバランスの取れた味わいなので、お酒が得意ではない人にも試していただきたいです」
――現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、飲食店でお酒の提供ができない地域があるなど、酒造業は厳しい局面に立たされています。
「ワクチンが行き渡るのが半年後になるのか、1年後になるかはわからないですけれど、お酒は人と人によるコミュニケーションツールのひとつですから、元の生活に戻れたときにはお酒を楽しんでいただきたいなと思いますね」
(撮影:深野未季/文藝春秋)
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