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眞子さまがご結婚後に公務を担うことは……

 一方で、安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有識者会議も、眞子内親王の結婚によって、その方向性が定まりつつあるようにも思われる。7月26日の会合で、女性天皇や女系天皇などの皇位継承の問題には今後踏み込まず、女性皇族が結婚後も皇室にとどまる案(女性宮家案)と、旧宮家の男系男子が養子として皇族復帰する案の2案を「今後の検討の中心」とした。その後、「共同通信」が8月6日に、このうち女性皇族が皇室に残る案に関しては、配偶者と子どもを当面は皇族に入れない方針で意見集約をしていることを報道した。おそらく、小室圭さんへの批判が世間的に多いなかで、一般男性を皇族に入れることに忌避感がある声に配慮したものだと考えられる。

2018年7月、ブラジル・サンパウロで「ジャパン・ハウス」を視察される眞子さま ©AFP/アフロ

 また、同じく「共同通信」が9月6日に「天皇ご一家と4宮家存続の構想 政府、女性皇族が継ぐ案を想定」との見出しを掲げ、愛子内親王、佳子内親王、三笠宮家の彬子女王と瑶子女王、高円宮家の承子女王が、「本人の意向に最大限配慮する」としつつ、結婚後も皇族として残る案を政府が構想していることを報道した。眞子内親王の結婚という報道を踏まえ、その他の女性皇族が結婚後、いわゆる女性宮家として残る案が、今後のあり方として最有力になっていることをうかがわせる。この女性皇族によって、天皇を支え、公務を分担することが想定されているのだろう。

 そこには、眞子内親王が結婚後に公務を担うことは想定されていない。アメリカに行けば、天皇の公務を分担することは難しい。眞子内親王が、現皇室典範の体制の最後の女性皇族として想定されているのである。おそらくそれは、眞子内親王との結婚によって、小室圭さんが皇族に入るのではないかという、やや想定しすぎとも言えるような意見に対して、そうではないと知らせる意図もあったのではないか。

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秋篠宮家の下がった“威信”はどうなるのか

 ただし、この有識者会議の議論では先に述べた様に、女性天皇や女系天皇などの皇位継承の問題には踏み込んでいない。皇位継承順位は変わらず、最終的には悠仁親王が天皇になる。そうすると、高校に進学する悠仁親王への教育をどうするのかという問題は大きな課題となるだろう。そして、女性皇族が仮に結婚後も皇族として残ったとしても、安定的な皇位継承という課題をクリアしたことにはならず、いつかはまた、同じ問題を話し合う必要が出てくる。

 また、今回の眞子内親王と小室圭さんの問題によって、秋篠宮家への世間の批判は高まった。秋篠宮や悠仁親王が天皇に就くとき、そうした下がった威信をどうするのか。眞子内親王の結婚が一応の解決を見た後も、皇室は様々な課題を抱えているのである。

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