《作業写真多数》「町の板金工場」と「ディーラー」で修理費用差は12万円…どっちに頼むのが正解!? 熟練作業員に聞いてみた

板金工場を選ぶときの“チェックポイント”

　以上をふまえれば、こちらの希望を丁寧に聞き、適宜提案をしてくれるかどうか、というのが工場を選ぶ一つの基準になるだろう。その他の点で、見るべきポイントはあるのだろうか。

「ホームページがあるか、フロントの接客、工場はキレイか、保証制度があるか、こういう表の部分が整っているところであれば、外れることはないという感覚です」（同前）

　意外にも外面的な要素が挙げられたが、考えてみれば当然かもしれない。何度も世話になっている工場であればいざ知らず、はじめて依頼する際には「職人の腕」で判断するわけにはいかない。そもそも、通常の作業においては「腕」よりも「規定の手順を遵守すること」が質を左右するのであるから、消費者が確認すべきは「環境や体制面」ということだろう。

　たとえば見積もりの際、こちらの希望を伝えたときに、具体的な金額と方法に関する選択肢がいくつか提案されるようであれば、工数と費用を事前に明確化できる体制が工場内にあることになる。「見積もりよりも高い金額を請求される」といったトラブルも防げるはずだ。

　板金工場に依頼する際には、いくつか相見積もりを取るのもよいだろう。安さだけで決めるのではなく、「なぜその価格か」を聞いたときに、理に適った説明があるかどうかもチェックするとよさそうだ。工程管理が行き渡っていれば、必要な作業と費用の関係性もクリアになりやすい。

　筆者がはじめて免許を取った15年前、車を擦って板金工場に持ち込む際は、やはり近寄りがたい雰囲気があった。「いい業者を選べるのは玄人だけ」といった風潮もあったように思う。しかし、口コミ情報が簡単に確認できるようになった現在、消費者の納得を得られない業者は生き残ることができない。おのずと板金塗装も「接客サービス」としての側面が強くなっているのだと考えられる。

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