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冬用ふとんを出して寝たらくしゃみが…「要注意のふとん」ってどんな状態? 知っておきたい“ケアの基礎”

2021/11/05
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 まず、和布団・ベッドを問わず、寝具ケアの基本は、以下の2つです。

1、表面、内部共に「乾燥させる」

 

2、表面の「汚れを除去する」

 私たちが毎日寝る度に、布団は“汚れている”ということをまず意識してください。汗などの湿気、皮脂などの分泌物、空気中や床(畳など)から吸収するホコリなどが主なこの汚れの原因になります。

 おねしょや嘔吐といった派手な出来事がない限りは、汚れのペース自体は緩やかです。けれども毎日蓄積される湿気や汚れにプラスして、就寝にともなう体温(温度)によって少しずつバクテリア(細菌)が繁殖して臭いが出たり、カビが生えて徐々に黒ずんでいったり、ダニがわくことで粉っぽいホコリ(内容はダニの死体の欠片や糞)が増えたりしていきます。

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©iStock.com

 こういった典型的な布団の汚れが、健康に急激な影響を及ぼすことは稀です。ただアレルギー性疾患、皮膚炎、鼻炎、喘息といった症状がじわじわ出て初めて、汚れの存在に思い当たることになりがちなのです。

 これらの害を予防するためには、布団から身体由来の湿気を飛ばすこと、つねに乾燥を促すことが大切です。

布団を「干す」方法は色々ある

 布団を乾燥させる方法ですが、必ずしもベランダなどの「屋外に干す」一択ではありません。「干す」にしても、

・椅子などにかぶせて、エアサーキュレーターなどで風を送る「部屋干し」

 これは、なるべく広い面積を空気にさらすことで湿気を飛ばします。

・浴室乾燥機などを使う「屋内干し」

 浴室掃除を済ませて水分を拭った浴室で、自立する敷き布団などを乾かします。浴室乾燥機は温度が高くなり、タイマーもあるので少し布団の湿気の多いケースに向いています。

 など、いわゆる洗濯物の「部屋干し」の応用が利くので柔軟にくふうしてみてください。また、

・布団の入る「コインランドリーの乾燥機」利用

 自家用車のある場合は比較的簡単に持っていけるコインランドリーの活用も乾燥の一手段です。ちなみにクルマのない筆者は布団を90リットルサイズのゴミ袋に詰め込み担いで徒歩で持参します。意外と持ち運びやすいです。ご参考まで。

・電気式の布団乾燥機を利用する方法

 近年の布団乾燥機は布団の下にマットを敷き込むのではなく、温風の出るホースを布団と布団の間に差し込むだけ、と手間が大変少なく簡単になっています。

 なども大変有効であるなど、「乾燥させる」方法は実は多岐に渡り、布団の下に除湿マットを敷き込む、電気毛布やホットカーペットなどの上に敷いて温めるといった隠し球もあります。ただ、くれぐれも「乾燥させながら寝る」といった行為は、低温やけどなどの危険があるので試さないようにしてください。

カバー類の洗濯の頻度

 そして2つ目のポイントとなる「汚れの除去」。これはシーツ、カバー類を使用することで布団本体の汚れを減らし、布部分の衛生状態を高める方法と、布団クリーナー(布団掃除機)を利用する方法、布団を丸洗いする方法があります。

 

 布団に付着するフケ、抜け毛、ホコリ等の「乾いた汚れ」は布団クリーナーで除去できます。これは毎日行えればそれに越したことはありませんが、汚れが気になる都度、抜け毛等の具合にもよりますが週に1回ほど行えれば及第でしょう。

 ただ皮脂や汗といった分泌物による「湿った汚れ」は洗濯で落とすことが必要になってきます。この分泌物量は個人差が大きく、家族間でも全く汚れ方が異なるので必要な頻度は一概に言えません。ただ発汗量の多い人や子どもの場合カバー類は1、2週間に1度程度を目安に洗濯できるといいのではないかと思います。