結婚生活や子育てって、こんなに辛く、みじめなものだったでしょうか
私より年配の男性陣は「そんな育児や教育なんて嫁に任せっぱなしで良いんだよ」と簡単に言います。子供なんて手をかけなくても勝手に育つよと言い放つ世代はまだまだ根強くて、電車の中で泣く我が子に難儀をしているお母さんに舌打ちをしたり、休日の公園でわいわい遊ぶ園児の輪に向かって「うるせえ」と怒鳴り声をぶち込むのはだいたい初老以上のおっさんがたです。そんな場面にちょくちょく遭遇するんですけど、私なんかは「なんだとジジイ。年金暮らしがでかい顔しやがって」って大抵言い返すわけですよ。お前らの子供の頃は一言も騒がない置物のような能無しだったのか
子供が減っていて大変だという一般論と、そういう子供を育てている最中の肩身の狭さという現実との間で悩んでいるばかりではないのです。最近では、結婚できない男性の割合が増え、子供を育てるための十分な収入を確保するために共働きがむしろ奨励されることになって、本当は一日中相手していてやりたい赤ちゃんさえも預けて働きに出
「レジャーに使えるお金も時間もないのです」
社会調査でつらつら元データを漁っていると、いまの日本人の生きづらさが一個一個数字で出てくるような感じさえもします。例えば、最近の趣味はなんですかというレジャーについての質問をすると、結構な割合で「通勤時間に楽しむゲーム」とか「コンビニで買い物」などと回答される方が一定の勢力を占めていて涙が止まりません。お前ら、他に楽しみはないのかよ。自由回答欄に「レジャーに使えるお金も時間もないのです」「あと4年頑張れば、下の子が中学校に入るのでそれまでの辛抱」「小遣いを切り詰めて娘をピアノレッスンと英会話に行かせてあげるのが唯一の楽しみです」などと切ないコメントを寄せるお父さん方とは、なあ、俺たち何のために文明的な現代日本に生まれていま同時代を生きてるんだろうな、と肩を叩き合いたい気分になります。
また、女性においても結構心情は複雑です。これはお付き合いのある、とあるコンピュータソフト会社で調査した実例ですが、かなり女性の社会進出を応援している会社なので出産後の復職はほぼ100%なのに、その後平均4年ほど勤続すると退職してしまうという問題に直面していて困っている、という話が聞かれました。追跡調査をしてみると、どの女性も「時短で無理に働いて得られる収入はそれほど多くなく、結局学童保育代や習い事、ベビーシッターなどの支払いに消えるだけで何のために無理をして働いているのか分からなくなった」という回答をしてきます。実際、