そのため、多くの患者は有償での卵子提供が行われている海外で移植を受けており、例えば、野田聖子少子化担当相は2010年に渡米、米国人ドナーから卵子提供を受け翌2011年に50歳で長男を出産している。
卵子ドナーには約60万円の報酬を提示
だが、杉山氏は、卵子提供エージェンシー大手「メディブリッジ」から患者や卵子ドナーの斡旋を受け、日本国内で高額な卵子提供治療を重ねているという。
メディブリッジの関係者が明かす。
「海外での卵子提供で妊娠を目指す夫婦がメディブリッジに相談すると、『国内のプログラム』として、杉山産婦人科を紹介されることがあります。治療内容にもよりますが、メディブリッジと杉山産婦人科に合わせて約500万円を支払えば、国内での卵子提供を受けることができる。一方、メディブリッジは杉山産婦人科に斡旋する卵子ドナーも幅広く募集しています。厚労省が定めた“条件”とは異なり、子供がいない若い女性を含め、約60万円の報酬を提示するなどしています」
「週刊文春」は、メディブリッジの一柳靜佳社長が卵子提供を巡って、患者や杉山氏とやり取りした多数のメールを入手した。
B子さんに送った治療費の内訳
例えば、メディブリッジの一柳氏が、杉山産婦人科での治療を決めた患者・B子さんに送ったメールには、以下のように記されている。
〈初診の予約は必ず「杉山力一(りきかず)」理事長のお時間をお取りください。
卵子提供プログラムはまずは杉山理事長にご相談することになっています〉
また、一柳氏は患者・C子さんには、杉山産婦人科でかかる治療費の内訳について以下のように説明していた。
〈・ドナー事前検査 ・ドナー採卵 ・顕微授精 ・着床前診断 ・胚凍結 ・連結胚融解と移殖
融解と移殖までの費用を含めると、合計すると200万円程は費用になるかと思います〉
当事者たちはどう答えるのか。