「国内ではやってませんのでね」
メディブリッジの一柳氏に質問状を送ったところ、本人から電話があった。
――学会で承認していない国内卵子提供について。
「産科婦人科学会も色々出してますけど、そういうところの先生方でもなさってる方もおられますし、なので一つのクリニックの名前挙げて一つのエージェントの名前挙げて槍玉にあげるようにしたいのかが、私にはわからない」
――ドナーの条件や報酬など、これまでの医師たちとは異なる状況でやっている。
「国内ではやってませんのでね」
――国内でやってない?
「ですので、お好きに書かれたらいいです」
杉山氏にも質問状を送り、事実関係の確認を求めたが、期日までに回答は無かった。
杉山氏がどのような説明を行うのか、対応に注目
日本産科婦人科学会は、HPで〈(本会の)見解を遵守しない会員に対しては、速やかにかつ慎重に状況を調査し、その内容により定款に従って適切な対処を行う〉などと記載している。
同会に杉山氏のような学会見解に反する卵子提供医療について見解を求めると、以下のように回答した。
「(個別の事例については)事実関係を把握しておりませんのでお答えできませんが、(卵子提供に対する会の対応は)HPに記載の通りです」
生命の誕生に直結する生殖医療には極めて高度な倫理観が求められる。日本の不妊治療を牽引してきた杉山氏がどのような説明を行うのか、対応が注目される。
6月22日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および6月23日(木)発売の「週刊文春」では、杉山氏の人物像や杉山産婦人科の経営、杉山氏が患者に必ず結ばせる守秘義務契約書の存在、情報漏洩の疑いが出た際に杉山氏が一柳氏に送った苦情メールの文面、メディブリッジが有償で卵子ドナーを募集している様子、杉山産婦人科で行われる採卵でドナーが体調不良になった問題、厚労省の“条件”に準じた厳格なガイドラインで国内での卵子提供を行う組織の見解などについても詳報している。
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