文春オンライン

2022/10/30

 最大ともいえるこの長所と反比例するように、当時、日本競馬の馬場は急激に高速化したオペラオーが3着だったダービーでの、アドマイヤベガの勝ち時計は2分25秒3。当時はアイネスフウジンが記録したダービーレコードと同タイムだったが、6年後、ディープインパクトが勝った際は2分23秒3と2秒も縮まっている。

ディープインパクト ©文藝春秋

テイエムオペラオー産駒の失敗要因

 自身の実績や産駒の性質が、日本競馬の方向性と合わなかったことも失敗要因かもしれない。また、当時を知る生産者は「社台スタリオンステーション入りを模索するも、交渉がうまくいかず馬主の竹園氏が所有したことで繁殖牝馬が限定された。当時、竹園さんは私たち中小牧場のために動いてくれたが…」と語る。

 オペラオーと同じ父、オペラハウスを父に持つGI4勝馬メイショウサムソンも、産駒にGIホースこそいないが、重賞ウイナーは4頭(デンコウアンジュ、フロンテアクイーン、ルミナスウォリアー、キンショーユキヒメ)、獲得賞金1億円超の産駒を9頭送り出した。このうち5頭の生産者が社台系で、2頭がメイショウサムソンの生産者である林孝輝さんだ。

 メイショウサムソンは592頭を世に送り出し、入着賞金は46億円。4042回出走して241頭が勝利、勝率は6%。アーニングインデックスは0.85。

 先の生産者は「社台グループは、種牡馬と牝系の血統配合でどんな産駒が産まれるか、という予測が生産界でも優れており、生産界での独り勝ちにつながっている」と話してくれた。

 GI7勝を挙げ、獲得賞金が史上最高額(当時)となったオペラオーだが、ある面、評価は高くない。その要因の一つが、種牡馬としての不成功かもしれない。
 

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