11月13日に行われた新宿区長選では、無所属の依田花蓮氏(50)がトー横キッズへの支援拡大を訴えるなど、政治の世界の関心も高い。共産党の沢田あゆみ新宿区議(57)が話す。
「吉住健一区長が6月の定例記者会見で『(トー横には)地元の子は集まらず地方の子が集まっている。NPO団体が支援しているので立ち直りのきっかけにしてほしい』と話したんです。しかし『新宿の子ではない』『立ち直り』というのは、体よくキッズを排除しようとしているだけではないでしょうか。これだけ多くの風俗の案内所があるぐらいなら、区役所が5時に閉まった後も行ける子供たちの相談所を作るなど、行政が責任を持って居場所を確保しなければなりません」
無所属の伊藤陽平新宿区議(34)は「トー横に新宿の子ではない子がいるのは事実」としたうえで、大阪の「グリ下(道頓堀のグリコ下)」、名古屋の「ドン横(栄のドン・キホーテ横)」など各地に生まれつつあるキッズを支援する大人同士の連携が大事だと話す。
「トー横キッズが夜行バスに乗って大阪に行き、グリ下のキッズたちと交流することもあると聞きます。つまり『トー横を封鎖する』といっても、彼らが大阪へ流れてしまえば問題は完全に解決しない。むしろ支援者の間で情報を共有して、人が行き来しても把握して支援する仕組みをつくらなければなりません」
あるホテルの存在がキッズたちの温床に?
目のつけどころも解決策もそれぞれだが、「歌舞伎町に住みつくことが可能な環境を消せばいい」と断言するのは、前述の歌舞伎町関係者だ。
「トー横近くにあるビジネスホテルは受付を通らず部屋にいけるので、キッズたちが複数人で宿泊する格好の場所になっている。1泊5000円なら、5人で割れば1人1000円。エントランスには監視カメラすらなく、チェックインは機械だけで夜間はフロントの人もいないことがあるようです。こうした杜撰な管理のホテルが消えれば、歌舞伎町に住み着いて深夜帯に広場をうろつくキッズたちはいなくなると思います」
冬になると寒さで足が遠のき、春までに他に居場所を見つけて“卒業”するキッズも多いという。世間を騒がせ続けるトー横問題が解決する日はやってくるのだろうか。
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