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 加速だけではなく、一番重たい部品であるバッテリーを車輌中心下部に設置できるため重心が低く、カーブでも安定性が高いことも魅力だという。

重たいバッテリーが、逆に運転時の安定感に繋がっているという

「また、今の中国EVは大型ディスプレイが設置されています。運転席はもちろん、助手席や後部座席に設置されている車種も多いのですが、動画を見たりゲームをしたりというエンタメが充実してます。ドライブ中に子どもがぐずらないように遊ばせるゲームも流行ってます。スマホやNintendo Switchのゲーム画面をミラーリングして、大画面で遊ぶという使い方もあります。

 EVならエンジンをかけなくてもディスプレイが使えます。静かなので、自分の部屋代わりに使う人も。ネットショップでは自動車用エアベッドも売れ筋商品になっているほどです」(Hさん)

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「大渋滞にはまってもEV電源でお湯を沸かして餃子が食べられる!」というテレビCMも…

 BYDジャパン株式会社の劉学亮代表取締役社長も、移動手段だけではないEVの魅力を日本に伝えたいと話している。

「旧正月の帰省で大渋滞にはまった家族、EVの電源を使って電気鍋でお湯をわかして餃子を食べる……これはBYDが中国で流したテレビCMですが、日本でもこうしたEVならではの体験を広めたい。EVの電源を使ったキャンプ体験などのイベントを仕掛けていく予定です」(劉社長)

 

 こうした体験価値の高さが口コミで広がり、2020年半ばにムードが一変したのではないかとの見立てだ。

 新し物好きの消費者しか買わないステージから一般消費者が買うステージへと変化することをマーケティング用語で「キャズムを超えた」という。ごくつぶしと罵られながらもEVを作り続けた、その長い助走の果てに転換点に達したということなのだろうか。

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 爆発的なヒットとなった中国のEV。しかし、ここまでの急拡大にはある“革命”もあったと高口氏は続ける。そのもうひとつの理由とは……。後編に続く。

写真=筆者提供

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。