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竹内 事務所によって異なりますが、弁護士に内容証明での通知の作成及び発送を依頼すると、基本料金は10万円程度が多いと思います。さらに交渉や訴訟の有無によって別途費用や成功報酬がかかることもあります。

カジュアルに退職代行を利用する人が増えてきている

――どんな時に弁護士に相談するといいのですか。

竹内 すでにトラブルが生じている場合や、トラブルに発展しそうなときは、ご自身で退職手続きを進めるより、弁護士に依頼したほうが不利な解決をしないで済むことが多いと思います。

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 有給を取得したいのに会社が認めてくれないとか、規定どおりの退職金を払ってくれないとか、あとは退職を許す代わりに今月の給与は迷惑料として相殺するという約束を取り交わしてしまったとか、退職時のトラブルは本当に人それぞれです。でも、弁護士が代理人になっていれば、会社と対等な関係で解決策を話し合うことができます。

――竹内さんのところには、どんな理由で相談にくる人が多いのでしょう?

竹内 私が退職代行を始めた3年ほど前は、「精神的に、あるいは体力的に限界なので会社を辞めたい」という思いつめた相談が多かったですね。でも最近は、少し変化してきたかもしれません。

――どんな変化が?

竹内 精神的、身体的に追い詰められる前に退職代行を利用する人が増えてきている印象です。「同僚たちと仲がいいから、自分からは辞めると言いづらい」とか、「転職活動に集中したいから、退職の手続きは代わりにお願いしたい」とか。

 すでに転職先が決まっていて、確実にこの日までに辞めたいから代行を利用したい、という利用も見られますね。

――転職するときに退職代行を利用するケースもあるんですね。

竹内 転職活動中の困りごとのひとつに、「内定が決まったのに、会社との交渉が難航して、退職日がなかなか決まらない」というものがあるかと思います。そういった場合であっても、弁護士が間に入っていれば、そうした心配をする必要がなくなるケースがほとんどです。転職先に「来月から行けます!」と迷いなく言える安心感を得られることになります。

――なぜ数年でそういった変化が起こっているのでしょう?