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 そもそも、原則として法律上は会社を辞めるのに理由は必要ありません。答えたくなければ何も答えなくても問題はありませんし、代理人の弁護士も隠し通します。

 ちなみに、弁護士が提供する退職代行の場合は、先ほどお話ししたような退職交渉のほか、パワハラ・セクハラなどに対する訴訟も可能です。

パワハラやセクハラの訴訟には“時効”がある

――訴訟したい場合は、退職と同時に進めないといけないのですか?

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竹内 いいえ。訴訟に発展するほど会社とトラブルになっている場合、依頼者は心身ともに疲弊していて、「とにかく早く会社と縁を切りたい」という方が多いです。訴訟となると、さらに1、2年は会社とのやりとりが続いてしまうから、同時に進めるのは負担が大きすぎる。

 通常の損害賠償請求と同様に、パワハラやセクハラの訴訟も“時効”があるので、それまでなら退職して心身が回復した後に改めて請求することもできますよ。

 弁護士なら、訴訟をするメリットやデメリットなどを個々の状況に応じてアドバイスできます。依頼者はそれをふまえたうえで、時効までに「訴訟したい」という意思さえ示していただければ、そのあとは弁護士が手続きにむかって準備を進めることになります。

――そういった部分が「弁護士が運営する退職代行」に依頼するメリットなんですね。

竹内 退職したい場合、大事なのは「退職したい」という意思表示です。極端に言えば、弁護士に頼む場合、依頼者は意思表示をしっかりしてくだされば、あとは最後までサポートをします。

撮影=山元茂樹/文藝春秋

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