被告は初公判で供述を一転させ「居眠り運転の過失はない」
「事故後の警察の聴取では、『この辺から眠たくて記憶がない』『眠気を催していることはわかっていた』『やばい運転をした』などと居眠り運転をはっきりと認めており、調書にも明記されています。にもかかわらず、裁判が始まると供述を一転させ、『居眠りはしていないが、なぜ事故が起きたか記憶にない。居眠り運転の過失はない』と主張したのです。あまりにも理不尽な態度に唖然としました」
初公判は、起訴状が読み上げられるなど、わずか20分ほどで終了したという。岩瀬被告が起訴事実を否認したため、2023年1月24日に開かれた第2回公判では、岩瀬被告が運転していたトラックや後続車のドライブレコーダーの動画が証拠として提出され映像が流された。星野さんが続ける。
ブレーキをかけている様子すらなかった
「被告は、『事故現場から約10km手前にある南山城の道の駅を通過後、少ししてからの記憶が一切なく、記憶があるのは衝突の寸前』と語り、一方で『眠気を催した覚えはなく居眠り運転ではない』と主張しました。
ですが、公開されたレコーダーの映像を見ると、少なくとも10分間、明らかに蛇行運転していて、私が数えた限りでは10回はセンターラインをオーバーしていました。そして、その度、元の車線に戻るという行為を繰り返しています。これはセンターラインをオーバーしていることを認識していたということではないでしょうか。
また、両親の車に被告のトラックがまっすぐ突っ込んで行く様子も確認しました。あまりに見るに堪えない映像でしたが、ブレーキをかけている様子すらありませんでした。被告は衝突時にブレーキとアクセルのどちらを踏んだのか定かではないとすら語っています。
そもそも、『記憶にない』のに『居眠りはしていない』という記憶はあると主張すること自体が矛盾しています。公判中にも『ローソンまで行って休憩するつもりだった』『危険な運転を続けていた』との本人の発言もありますし、全く筋が通らない話です」