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「閉店を余儀なくされた店も…」食べログ”点数急落裁判” 勝訴したチェーン店社長が告白 そして2月14日、ボタンが消えた

「閉店を余儀なくされた店も…」食べログ”点数急落裁判” 勝訴したチェーン店社長が告白 そして2月14日、ボタンが消えた

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 口コミで“本音の評価が分かる”というのが謳い文句の日本最大級のグルメサイト「食べログ」。同サイトで特定のチェーン店を対象に、口コミの点数を下げるアルゴリズムの変更が行われていたことが判明し、物議を醸している。

最大で0.45点 口コミ点数が急落

 アルゴリズムを変更していたことがわかったのは、韓国料理チェーン「Kollabo」の運営会社・韓流村が、食べログの運営会社・カカクコムを訴えた裁判でのことだった。韓流村の任和彬社長が語る。

「2019年5月21日、悪い口コミが増えたわけでもないのに、急に店の点数が下がったんです。グーグルやホットペッパーなどの点数は下がっておらず、食べログだけでこの現象が起きました」

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韓国料理「Kollabo」などチェーン店が点数下落のターゲットにされた

 Kollabo新宿店は3.51点が3.16点になり、中目黒店に至っては3.51点から3.06点にまで下落。最大で0.45点、平均約0.2点も下がったのだ。

「その結果、売り上げが大幅に減りました。ウチは元々、食べログ経由の売り上げが全体の35%ほどを占めていました。しかし5月21日以降、店舗のPV数が50〜70%下がり、売り上げは月平均約2500万円も落ちたのです。ウチ以外のチェーン店でも点数が落ちているところも見られました」(同前)

有料店舗以外に、点数を下げるアルゴリズムを導入

 サイトに掲載されている店舗には、食べログと取引をしていない非会員、無料店舗会員、有料店舗会員の3種類がある。ただ、チェーン店の多くは有料店舗会員ではなかった。

「また口コミの評価も点数も高いところが多かった。つまり有料会員にならなくとも上位に表示され、予約が入ってくるため、食べログは会員料が取れない。それで点数を下げるアルゴリズムを導入して売り上げを落とし、チェーン店も広告費を払わざるを得ない状況を作り出したかったのではないでしょうか」(同前)

東京地裁は、食べログの独占禁止法違反を認めた(公式ツイッターより)

 そこで任社長は、この点数を下げる“チェーン店ディスカウント”により損害を被ったとして、カカクコムを東京地裁に提訴したのだった。約2年に及んだ裁判は、2022年6月に判決が下る。東京地裁は“チェーン店ディスカウント”が独禁法違反(優越的地位の乱用)にあたると認め、食べログ側に3840万円の支払いを命じたのである。

 平山法律事務所の平山賢太郎弁護士が指摘する。