1ページ目から読む
2/5ページ目

 新木場駅にやってくる3路線は、いずれも地上、高架のホームを持つ。地上4階建ての重層構造で、いちばん高い地上4階に京葉線のホーム。その下の地上3階に3路線の改札口やコンコースがあって、地上2階が有楽町線・りんかい線のホームがある。

 
 

 つまり3社3路線がひとつの駅舎に完全に同居している構造だ。だから、有楽町線かりんかい線が京葉線に直通運転でもできればいいのに……と思う向きもある。そうなればかなり便利になると思うが、実現しないあたりは難しい事情もいろいろあるのだろう。

駅名が駅名だけに、猛烈な“木材推し”のホーム

 さて、ようやく新木場駅の外に出る。新木場、という名前を持つだけあって、有楽町線のホームの駅名標には木があしらわれ、さらにコンコースにも大きな木。駅前広場には「木のまち新木場」と書かれたポールと、そのおとなりにはトーテムポール。

ADVERTISEMENT

 
 

 なんでトーテムポールかというと、木材産業発展のシンボルとしてカナダのブリティッシュコロンビア州の林業関連団体から寄贈されたものだそうだ。まあ、わかったようなわからないような話だが、少なくとも新木場が文字通りの木の町であることは伝わってくる。

 とはいえさすがに天下の東京都内のターミナル。高架下にはコメダ珈琲やロッテリアをはじめ、いくつもの飲食店が入っている。

 ふらりとこの町にやってきても、食事にも休憩にも困ることはなさそうだ。そして広々とした駅前広場の脇にはJR東日本系列のビジネスホテルがあって、NECソリューションイノベータの大きなオフィスビルなどが建ち並ぶ。これだけで終われば、どこにでもあるような東京の駅である。

 
 

“どこにでもあるような東京の駅”かと思いきや…

 ところが、駅の周りを歩けばすぐに、やっぱりここが木の町だということがわかってくる。東に向かって高架沿いを歩いてゆくと、木材関係の会社がずらりと並んでいる。

 

 その中に新木場1stRINGというプロレスなどが行われるイベントホールがあるらしいが、表通りからはまったく目立たない。むしろ、老舗なのだろう桧材の専門店が路上に無人販売店のようなものを出していてまな板などを売っているほうがよほど目に留まる。思わず買ってしまいたくなったが、木のまな板って結構扱い難しいし、何より荷物になるので諦めた。

 駅の西側にある大通り(明治通り)を南に向けて歩いても、道沿いには木材関係の会社が並び、まあとにかく新木場は木の町である。東京湾に面する臨海部の町というと、もっと現代的というか未来的なイメージがあったりするが、ここ新木場は規模の小さな会社も多い。シンプルに言えば、町工場の町である。