三宅 専門のエンジニアを増やすことだけではなく、コードを書かないゲームデザイナーやプランナーでも使えるようなAIツールを作成することが大切です。むしろ今は、そのツールをデザインする才能が求められています。
――そのツールは、はじめは制作者のための専門的なソフトウェアとして作られるのでしょうが、パソコンのOSのように大衆に広がり、人間がAIとやりとりをする、共同作業のためのインターフェイスになっていくかもしれませんね。
三宅 そう思います。そもそも、人間がコンピュータと快適に接することをサポートするインターフェイスこそが、デジタルゲームの命だったわけです。AIとの接点も、この業界が取り組んでいくべき課題だと思います。
AIとの正しい付き合い方
――一般社会にAIをどう迎えるか。その鍵が、そこに存在すると思います。
三宅 ゲームと同じで、社会でも、高度なAIが出てきたとしてもそれが人間に取って代わるということはないんです。例えば小学校の現場で、教えることができる、監視も、採点もできる、そんなAIロボットがいたとしても、それにクラスを担任させることは不可能でしょう。
ただ、そういう存在が人間の先生をサポートできたら、とても助かるはずです。ここで、人間とロボットの共同作業のやり方が重要になります。AIの副担任に対して、人間の担任が、どう指示を出すか、どんなふうに付き合っていくか、ですね。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。