ネット上でも、さまざまな批判や揶揄を目にしました。まず、「SMILE-UP.」という社名は、ジャニー喜多川氏が発足した慈善事業団体「Johnny's Smile Up!Project(ジャニーズ・スマイルアップ・プロジェクト)」が元になっているため、「(喜多川氏と)リンクされるため払拭にならないね」というデーブ・スペクター氏のコメントに代表される意見。
また、プリマハム株式会社の連パックブランド「家族でおいしく スマイルUP!シリーズ」をはじめとした、さまざまな商品名と同名であったことも批判の一因となりました。ネーミングというのは、カテゴリーが違えば、名が被っていても本来は問題ないのですが、それだけジャニーズ事務所の対応を批判的な見方で注目している人が多かったということでしょう。
なお、プリマハム側は、記者会見直後「X(旧Twitter)」にソーセージのキャラクターがびっくりしているイラストを投稿。「巻き込み事故!」「でもなんか買いたくなった」などと面白がられ、ちゃっかりPRに利用していました。
#スマイルアップ #スマイルUP#ソップリン#チビップリン pic.twitter.com/lRvNRAg7eJ
— プリマハム【公式】 (@primaham_info) October 2, 2023
他にも「スマイルアップって、略すとSMAPじゃん」など、さまざまなざわつきが、少なからずありました。しかし、これはおそらくジャニーズ事務所にとって想定の範囲内の反応だったことでしょう。
ジャニー喜多川氏体制で命名された「Smile Up! Project」が引き継がれた意味
なお、特許庁の商標検索サイトで簡易検索してみると、呼称「スマイルアップ」で出てくる登録名称は17件もありました。もちろん、そのなかにはジャニーズ事務所の登録も含まれます。
2019年に登録された「Smile Up! Project」は幅広い社会貢献・支援活動を行っていくプロジェクトの名称です。つまり、“慈善活動”として、しっかり“商標登録”されており、“すぐに使える権利のある名前”ということ。
これは、「被害に遭われた方々への支援や補償を少しでも早く進めていくことが『SMILE-UP.』社の社会的責任と考えております」という東山新社長の発言にもつながると考えられるでしょう。今回の会見における「補償を早く進めたいから(この名前にした)」という言葉ほど、世間からの非難に対して強力な言い分があるでしょうか。
以上のことから、このネーミング開発に関しては、プロのブレーンがいたのかなと思うような隙のなさが窺えます。前回の記者会見がグダグダだったことに比べると、別の会社かのような立ち居振る舞いです。
細かい点ですが、元々の「Johnny’s Smile Up ! Project」の「Smile Up」には「!(エクスクラメーションマーク)」がついていたのに、今回の社名変更では「!」が「. (ピリオド)」に変わっている。ここにも、少しでもはしゃいでいる感じを減らそうという細心の気遣いが感じられます。