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連載池上彰「WEB 悪魔の辞典」

池上彰氏「『希望の党』は、失望までのつかの間の喜びだった」

池上彰氏「『希望の党』は、失望までのつかの間の喜びだった」

きぼう【希望】――池上彰「WEB 悪魔の辞典」

2018/05/21
note

 池上彰さんの新連載「WEB 悪魔の辞典」では、政治や時事問題に関する用語を池上さん流の鋭い風刺を交えて解説します!

【希望・きぼう】 

 失望までのつかの間の喜び。

【池上さんの解説】

 

 2017年9月、小池百合子都知事に近い議員が中心となって「希望の党」が結成された直後、民進党と合流し、多数の民進党議員が流れ込んだ。

 当初は勢いがあり、衆議院総選挙で自民党に代わって第一党になるのではないかという予測まで出た。

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 これを見て、当時の私は「希望」を「失望までのつかの間の喜び」と定義したのだが、小池知事が「同じ政策を持っていない人は排除します」と発言したことで、党の勢いは失速。本当にあっという間に失望に変わってしまった。

小池百合子都知事 ©文藝春秋

 民進党の政策と希望の党の政策は、とりわけ安全保障に関して大きく異なっていたが、その違いを軽々と乗り越えて希望の党に合流した議員たちを見て、「政策より自分の当選が大事なんだな」と思った人も多かったことだろう。

 2018年5月、希望の党所属の国会議員の多くは、民進党と合流して新たに「国民民主党」を結成。これに反発した保守系議員により、新たに「希望の党」が結成された。

 今後は、うっかり「希望の党」と発言すると、「以前の党か、いまの党か」と問い質されることになる。

 どうも希望のないことだ。

池上彰「WEB悪魔の辞典」のコーナーでは、池上さんの解説を聞いてみたい新用語を募集しています!

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