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「そういう人もいるがそうでない人もいる。みんながみんなそうではない」
「日本はまじめにやれば返ってくる」
最後にまた解体業界の実態について聞くと、
「(クルド人解体業者は)法律とは無関係にみんなやっていて、アスベストの基準も守らない。不法投棄も増えている。昔の日本人の業者はブローカーになり、外国人は皆その下でやるから、基本的に安くなっている。クルド人業者は、お金を稼ぐことがわかっていない。100万円の仕事で40、50万円稼がねばならないところ、5万円残ればいいくらいの感覚でやっている。社会保険、給料を払うとなると、それはできない」
「僕は元請けからしか仕事を受けない。日本はまじめにやれば返ってくる。我々の国はそうじゃない。まじめにやったって返ってこない」
話し始めて3時間近くたっていて、日も暮れてきた。Bさんは幅広く中東と商売をしたい、という夢を語り始めたが、細部が曖昧な彼の日本語を聞く集中力も切れてきたので、事務所を後にした。
彼の発言は、在留資格を何とか得ようとするための自己正当化の色彩が強く、そのまま受け取れないところがある。入管庁職員に対する暴行があれば、入管庁は警察に告発するので記録が残っているとのことだが、確認はできなかった。車を連ねて押し掛けた話も誇張があるように思われる。
入管庁筋によると、Bさんは在留資格を求め地元の政治家にしきりに働きかけているという。法秩序に対する考え方が根本的に違うのだろうが、法を軽視し、有力者とのコネで何とか事態の打開を図ろうとする姿勢は、大方の日本人には違和感があるだろう。