トイレに閉じ込められ「流せ!」と脅され…

 シロウくんはおかしいと感じ、メガネをトイレットペーパーで巻くことを拒否したが、3人に「早く巻けよ」と煽られ、恐怖を感じてトイレットペーパーを3周ほど巻かされた。3人はそれを取り上げるとさらに巻きつけ、塊の状態にした。

 すると3人は塊になったメガネをシロウくんに渡すと、「トイレに流せ!」と指示した。シロウくんは今度は強く指示を拒み、3人は何度も「流せ」と命令したが、しばらくすると昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。結局、3人は「(メガネをトイレの)棚の上に置け」と言い残して逃げ、シロウくんもメガネを置いて教室に戻った。

「(トイレでの出来事は)いじめだと思った。自分の中では、消しゴムを取られたことと比べて、されたことの重さが違う。感じたことの重さが違いました。怖かったです」

ADVERTISEMENT

シロウくん

 しかし、悪夢は終わらなかった。帰りの会の前にシロウ君は3人組に「トイレに来い」と再び呼び出され、男子トイレの個室へ1人で入れられ、ドアを閉められた。シロウくんが個室に入った時点で、便器の中にはトイレットペーパーに巻かれたA子さんのメガネと思われる塊が捨てられていた。3人から強く「流せ」と指示されたシロウ君は拒否できず、ついに流してしまったという。

「連れてこられてから(体感で)10分間閉じ込められ、怖かったので流してしまいました。やっとドアを開けると3人はすでにトイレから逃げていて、口止めをされていたし、心配をかけたくなかったので親にも言えず、悩んだままでした。その後も、何事もなかったかのように我慢して登校しました」

「お前が全部やったことにしたからな」

 翌日以降シロウくんが学校に行くと、何度も3人から口止めを受けたという。

「怖くて先生に言うことも何もできませんでした」

 しかしA子さんのメガネは実際に無くなっており、3人組がA子さんのメガネを持っているのを見たという通報があったことで、2週間後に事件が発覚。担任の教師は3人の男子児童とシロウくんに聞き取りを行った。この時、3人は口裏を合わせてシロウくんがやったことだと主張した。そしてシロウくんに対しても、そのうちの1人が「お前が全部やったことにしたからな」と脅した。

 

 そして担任も3人の証言を信じ、シロウくんがA子さんのメガネを捨てたことを前提に話をするようになったという。

「移動教室で他の子がいないときに聞き取りがあったんですが、自分の話は信じてもらえませんでした。2回聞かれて、合わせて1時間くらいだと思います。3人組に『流せ』と言われたと話したのですが、いつの間にか僕が流したことになっていて、辛い気持ちになりました」