Wi-Fiは最新規格である11axなどに対応しないのはまだしも、11ac止まりでコスト優先の方針が見て取れます。一方でポートはUSB Type-Cに対応しているなど、ハードウェアの世代そのものが古いわけではなく、取捨選択してうまくコストを下げている様子がうかがえます。
OSはAndroid 14で、また同社サイトではAndroid 15の対応も公表されているなど最新OSへの対応を大きくアピールしていますが、物理メモリが4GBしかないため、動作に多くのメモリを必要とするAndroid 14対応なのは逆に不安要素です。むしろAndroid 13以下にとどめておいたほうが、快適に動作したのでは? と思わざるを得ません。
なお本製品の製品ページでは、スペックの項に「10GB+64GB+1TB」と、メモリ容量が10GBであるように書かれていますが、物理メモリはあくまでも4GBで、これにソフトウェアによる仮想RAMが6GB追加できるに過ぎません。海外メーカーのタブレットではこのような紛らわしい表記が多数あるので、他製品との比較にあたっては気をつけたいところです。
外観に安っぽさはなく、デザインも健闘だが動作はやはり重たい
では実際に手に取って使ってみましょう。外観は1万円を切るタブレットと思えないほど剛性があり、安っぽさはありません。ミントグリーンという特殊なボディカラーが目眩しになっている可能性はありますが、ボディが樹脂製丸出しだったりといった、見た目のチープさはありません。またスリムなため片手で掴みやすいのも利点の1つです。
また枠部分の幅も狭いため、安価なタブレットにありがちなデザインの野暮ったさもなく、重量も8型としては平均レベルで、決してこれらに無頓着なわけでもありません。また購入時点で画面および背面に保護フィルムが貼られているのも、価格を考えるとかなり健闘していると言えます。
一方で、メモリカードスロットが、最近ではほとんど見かけなくなった、プッシュするとバネで手前に飛び出る構造なのは、カードの安全性や、未挿入時にホコリが侵入するリスクを考えると、ややマイナスです。
セットアップ手順は一般的なAndroidそのままですが、この時点ですでに、動作のもっさり感が目につきます。画面をタップしてから反応するまでにしばらく間があったり、本体の向きと連動して画面が回転すべきところしばらくそのままだったりと、動作に関しては何もかもがワンテンポ遅く、ストレスが溜まります。このあたりはやはり価格相応といった印象です。