広島市基町(もとまち)の自身が住む市営アパートを拠点として、40年近く非行少年らに無償で手料理を毎食提供してきた、元保護司の“ばっちゃん”こと中本忠子(ちかこ)さん。今まで描かれなかった、ばっちゃんの活動の本当の理由を、足掛け3年にわたる取材で紐解いたのが本作だ。
「中本さんに初めて会ったとき、緊張気味の私に、『まあまあ、どうぞ召し上がれ』と、すじ肉入りのカレーを出してくださり、気持ちがほぐれました。私は貧困問題などの取材を通じて、家庭環境に難があり学校からもこぼれ落ちた若者に対して、受け皿がほぼゼロであることが気にかかっていたのです。ところが、中本さんは、血縁がなくても、成人であっても『うちの子』と呼んで料理をふるまいます。その姿に『あ、探していた人がここにいた』と感動を覚えました」
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source : 文藝春秋 2019年12月号