いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。
北京五輪を最後に表舞台から遠ざかっていたロシアが、フィギュアスケートの公式戦に戻って来た。国際スケート連盟(ISU)は「冬季オリンピックへの出場はスケーターのキャリアの頂点である」と考え、ロシアとベラルーシの選手について、ミラノ・コルティナ五輪への参加を、一定条件下で容認。2025年9月の五輪予選会を皮切りに、スケート界へのロシアの影響力が復活した。

これまでロシアは、様々な疑念を受けながらも、常に国際大会の表彰台に絡んできた。02年ソルトレークシティ五輪では、ロシアペアが金メダルを獲得した後にジャッジへの圧力が表沙汰になり、2位だったカナダにも金メダルが与えられた。また14年ソチ五輪では女子、ペア、団体で金メダルを獲得したものの、国家ぐるみのドーピングが発覚。以降の大会には国代表ではなく個人としてのみ参加が許可されたにもかかわらず、22年北京五輪ではカミラ・ワリエワのドーピングが大会中に発覚。そのうえ「オリンピック休戦」を無視して、五輪の閉会式翌々日、つまりパラリンピック開催前にウクライナ侵攻を開始したことで、国際大会への参加が禁止された。
これだけの事案が続いても、オリンピック憲章の「すべての個人はスポーツをすることへのアクセスが保証されなければならない」という精神から、五輪への道が再び開かれたのである。
現状、ロシアの参加で一番影響を受けるのは女子シングル。復活のニュースを聞いた坂本花織(25)は「また色々な選手と戦えるのは燃えるので、すごく今から楽しみ」とモチベーションに火がつき、千葉百音(20)も「4回転をポンポン跳ぶ選手が出てくる。やっぱり(私も)4回転入れていかないといけないと感じました」と気を引き締めた。
ロシア側からの1枠だけの中立選手(AIN)として五輪代表に抜擢されたのは、女子はアデリア・ペトロシアン(18)、男子はピョートル・グメンニク(23)。ペトロシアンは、国内参考記録ながら、女子世界初の4回転ループ成功者で、4回転トウループとフリップも降りている。ジャンプ力だけで言えば、坂本花織や世界女王のアリサ・リウ(米国)をしのぐ。また男子のグメンニクも4種類以上の4回転を跳び、国内大会では300点超えをマーク。鍵山優真(22)やイリア・マリニン(米国)に迫る強さがある。ただ、国際大会経験がゼロに近い選手が、すぐに高得点を出せるかは未知数。ジャンプでの高得点は予想されるが、演技構成点については国際ジャッジが生で見てこそ分かるもの。時間をかけて評価が定められていくことになる。
では五輪後はどんな変化が起きるのか。まずロシアはこの3年間、国内大会を盛んに行い、男女ともに多数の4回転ジャンパーを育ててきた。国際大会での復活を、今か今かと待っている状態だ。
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