米国が標的にした後継者の素顔とは
2018年12月1日、中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の副会長兼最高財務責任者(CFO)、孟晩舟氏(46)が、米司法省の要請によりカナダで逮捕された。孟氏は人民解放軍出身でファーウェイの創業者、任正非氏(74)の長女。逮捕容疑は米国が経済制裁を科すイランへの違法輸出とみられる。
米司法省は2016年からイランへの違法輸出容疑でファーウェイを捜査していた。米国は中国の通信機器2位、中興通訊(ZTE)にも経済制裁を科しており、中国の通信機器大手は米中経済摩擦の象徴になりつつある。
大国間の争いに巻き込まれ、時の人となった孟氏とはどんな人物か。
孟氏は1993年、受付係としてファーウェイに入社した。1999年、働きながら華中科技大学大学院で修士号を取得し、財務部門に配属された。その後、海外経理部長、ファーウェイ香港法人CFO、会計管理部の責任者などを歴任している。
父親と姓が違うのは、孟氏が任氏の前妻の娘で、母方の姓を名乗っているからだ。本人も結婚していて息子と娘がいる。ファーウェイ関係者は孟氏を「有能で勤勉」と評価しており、社内では「サブリナ」、「キャシー」の愛称で呼ばれている。
孟氏が初めて表舞台に立ったのは2013年1月。ファーウェイのCFOとして北京で開かれた決算発表会に登壇した。
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source : 文藝春秋 2019年2月号