秘書官の頂点に、くせ者たちの「革命」、鉄壁の「法務官僚」、同期レースが横並びに

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★名実ともに頂点に

 支持率下落で、一強体制が揺らいだ安倍政権にあって、ひとり揺るがない人物がいる。今井尚哉(たかや)首相秘書官(57年、旧通産省入省)だ。

 今井氏は8月の内閣改造でも辣腕をふるい、官僚出身の政務担当秘書官としては、いずれも旧通産省出身だった橋本内閣の江田憲司氏(54年)、鳩山内閣の佐野忠克氏(44年)をはるかに上回る存在感を発揮している。もはや、麻生太郎財務相、菅義偉官房長官ら「バッジ組」をも上回る権勢を誇る。

 それを証明したのが経産省の首相秘書官人事だ。女性活用の象徴だった宗像直子氏(59年)を特許庁長官に栄転させると、後任には42歳の佐伯耕三氏(平成10年)を内閣副参事官から大抜擢した。60年代はおろか、平成ひと桁代も飛び越しての就任である。

 佐伯氏は、安倍晋三首相の国会や外交の演説から消費増税延期のペーパーまで、あらゆる重要案件に携わり、中江元哉秘書官(59年、旧大蔵省)、鈴木浩秘書官(60年、外務省)を既に凌駕していた。今回、正式に秘書官に起用することで、実態に形式が追いついた。

 かつて、官僚出身の秘書官は40代の中堅が多かったが、省庁再編と官邸機能強化に伴い、年次が上がっていた。佐伯氏は大幅に若返っただけでなく、主要課長を経験していない点でも異例だ。

 通産省出身者が正式に首相秘書官となったのは47年、田中内閣での小長啓一氏(28年、のちの通産事務次官)が初めてだった。それから45年、旧通産省の流れをくむ経産省が、名実ともに秘書官の頂点を強固にした象徴的な事例が、今井氏による佐伯氏の起用といえる。

★くせ者たちの「革命」

 安倍改造内閣の目玉である「人づくり革命」は経産省、文科省が主体になるようだ。実動部隊となる推進室は、内閣官房、内閣府に出向しているくせ者が揃っている。

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source : 文藝春秋 2017年10月号

genre : ニュース 政治