九条加憲案はひどすぎる 若手学者激論

大特集 泥沼の自民党大研究

細谷 雄一 国際政治学者
浜崎 洋介 文芸評論家
ライフ 政治

自民党は再生できるのか。3人の論客が占う

安倍晋三氏 ©文藝春秋

 細谷 本日は、本誌では比較的若手である30、40代の我々3人で、安倍政権と自民党について議論していきたいと思います。

 まず7月の都議選での自民党の惨敗と安倍政権の支持率急落を西田さんはどう見ていますか。

 西田 そもそも僕は「何をやっても安倍政権の支持率が下がらない理由」と題されたインタビューが公開されたりもしたので恐縮ですが(笑)、都議選敗北については、都民ファーストの会が小池都知事のフレッシュさ――本当にそうであるかは別にして――を前面に打ち出して少し新しい形の選挙を仕掛けたのに対し、自民党は攻め手を欠きました。投票日が近づくにつれて自民党国会議員の失言やスキャンダルも相次ぎました。

 とはいえ、安倍政権も内閣改造で意外と息を吹き返すかもしれません。国政には、都民ファーストに相当するような政党がないからです。

 安倍政権の高い支持率は、「他に選択肢がない」という消極的な選択であったことは疑い得ない。しかし、オルタナティブ(代わりの選択肢)がないかぎり、状況は変わりません。都民ファーストが国政進出すれば受け皿になり得ますが、仮にそのつもりでも、国政進出を現時点で明言するメリットはない。

 細谷 都議選のポイントの1つは公明党です。自民党は、過去10年以上、公明党なくしては選挙に勝てない体質になっている。このことを自民党自身が忘れていた。今回、都民ファーストと協力した公明党が自民党と協力していたら、12議席程度プラスできたと言われています。

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source : 文藝春秋 2017年09月号

genre : ライフ 政治