「皇帝は裸である」

「この指導者は虚栄心に満ち、頑固で独裁的だ」

「中国共産党はひとつの政党ではなくマフィア組織だと考えたほうが部外者にとって理解しやすい。党総書記はマフィアのボスで、その下にいるのがマフィアのブラザーども、すなわち党常務委員会だ」

　2022年10月、こんな激烈な文言を含む論文「習近平の弱点　狂妄とパラノイアはいかに中国の未来を脅かすか」が、アメリカを代表する国際政治経済ジャーナル『フォーリン・アフェアーズ』に掲載された。

　論文の執筆者は蔡霞（ツァイ・シャー）。1952年に人民解放軍の幹部の子女（紅二代（ホンアルダイ））として生まれ、やがて体制内の政治理論学者として江沢民政権（1993〜2003年）の重要思想「三つの代表」（三個代表）の宣伝に協力。また、習近平も校長を務めていた党の高級幹部養成機関・中共中央党校の教授として、長年教鞭を執ってきた（2012年に定年退職）。彼女は党内の改革派として知られ、中央党校の講義でも中国の政治改革について教えてきた。

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