手練れの業界ウォッチャーが、新聞報道にもの申す!
★岸田政権「不思議の負けなし」
政治報道の浅薄さに振り回された1年だったと思う。プロ野球の故・野村克也監督は「勝ちに不思議の勝ちあり」と言ったが、前半戦はまさにそうだった。
夏の参院選で岸田文雄自公政権がなぜ勝てたのか、紙面を読んでも全然分からない。「新しい資本主義」など首相のお題目が紙面を席捲したが、中身のなさは首相の説明も記事も同じだった。「野党第一党」を賭けた立憲民主党と日本維新の会の戦いを囃し立てたが、結局は「二弱」のオチだった。それで首相が「黄金の3年間」を手にしたと書かれても、狐につままれた思いしか残らない。
その後の政権の「連敗」ぶりは今更書くまでもないが、内閣支持率が30%台に急落するや、すぐにでも政権が倒れそうな紙面へ早変わり。そのあげく、昨年12月2〜4日にNNNと読売新聞が行なった世論調査で内閣支持率が3%上昇して39%になると、「“下げ止まり”の理由は?」(日テレNEWS)とくる。
いやはや、何とも腰の定まらぬ有り様だが、まだ終わらない。
NHKが9日から3日間行なった調査では、内閣支持率が33%から36%へと回復し、防衛力整備の水準を5年間で43兆円にする方針にも、賛成51%が反対36%を上回った。財源を巡り法人税など増税を検討する方針にさえ、61%対34%と賛成が倍あった。
反転攻勢の兆しかと思いきや、それが1週間後の17、18日に毎日が実施した調査でまた変わる。内閣支持率が発足以来最低の25%を記録したうえ、防衛費増額の賛否も48%対41%と拮抗する。ただ、詮無いのは財源問題だ。
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source : 文藝春秋 2023年2月号