最澄(767年〜822年)
本居宣長(1730年〜1801年)
内村鑑三(1861年〜1930年)
戸田城聖(1900年〜1958年)
瀬戸内寂聴(1922年〜2021年)
私は長く宗教について研究を進めてきたが、その立場から代表的日本人を選ぶとしたら、最澄、本居宣長、内村鑑三、戸田城聖、そして瀬戸内寂聴があげられる。
一見すると、この5人は結びつきがないように感じられるかもしれないが、『法華経』と『源氏物語』という2つの軸によって深く関連している。
『法華経』は大乗仏典の一つだが、その信奉者からは「諸経の王」と呼ばれ、尊ばれてきた。
最澄は、『法華経』の信仰を核として天台宗を開いた。内村は、最澄の開いた比叡山で学び、日蓮宗の宗祖となった日蓮を『代表的日本人』で取り上げている。戸田は、日蓮正宗の在家講だった創価学会の二代会長である。そして寂聴は、作家でありつつ、天台宗で出家した。
宣長は『源氏物語』を研究するなかで、「もののあわれ」という考え方に行き着く。寂聴は、僧籍を得てから『源氏物語』の現代語訳に取り組んだ。
そして、『法華経』の信仰は『源氏物語』の世界にも影響を与えている。『源氏物語』には、主人公の光源氏などが『法華経』の法要である「法華八講」を主催する場面が出てくる。
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source : 文藝春秋 2023年8月号