悩んでいるぐらいがちょうどいい
(この対談の動画はこちらからご覧いただけます)
東畑 養老さんには以前からお会いしたいと思っていました。『唯脳論』を書かれた養老さんに「心とは何か」をうかがいたかったんです。でも、実はもう一つ大きな理由があります。それは養老さんが母校である栄光学園の先輩だということです。僕が1995年に栄光学園中学に入学した頃には、養老さんはすでに「スーパーレジェンド」として尊敬を集めていました。
養老 ヘンな学校でしたよね。僕が通っていた時は、戦争が終わって間もない頃で、世の中が自由になっていく時代だったのに、うるさい校則がたくさんあって。制服を着て行進していました。
東畑 規律にうるさい校風は僕の時も健在でした。休み時間に裸で体操したりとか。
養老 そうです、そうです。
東畑 やっている時は嫌だったんですけど、もうやらなくていい立場になると、懐かしく感じます。
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source : 文藝春秋 2024年2月号