2つの問題
9月号には、決して看過できない内容の記事が2つあった。
1つ目は、元東京電力・原子炉設計管理担当の木村俊雄氏による『福島第1原発は津波の前に壊れた』だ。
木村氏が東電に福島第1原発に関するデータを開示させ、それを解析した結果、津波が来るよりも前からすでに、地震動によって福島第1原発はすでに危機的状況に陥っていたということが分かったのだ。その事実も驚くべきことだが、何よりもまず、東電の隠蔽体質について明らかにしたことは大きいだろう。原発事故の調査ももちろんだが、東電には自社の企業体質について改めて考えてほしい。
2つ目は、秋山千佳氏による『スクールセクハラ「犠牲者」たちの告発』である。学校の教師からのセクハラによって、自身の尊厳を踏みにじられた経験を持つ方たちが、勇気をもって取材に応じていた。記事を読んで思ったのは、「指導」と「支配」を履き違えている教師たちがあまりにも多いのではないかということだ。今後、教師たちの倫理観をどのように育てていくか、大きな問題であると感じた。
これらの2つの問題は、記事にしたからといって終わりではなく、これからも社会に影響を与えていくものである。文藝春秋には単発記事で終わることなく、継続して取材・分析をお願いしたい。(小野勝彦)
城連載に期待
城が大好きな私にとって、大注目のグラビア連載が始まりました。それが、9月号から始まった「一城一食」です。真っ先に拝読いたしました。
島根は以前、世界的にも有名な「出雲大社」を訪ねたことはあるものの、松江のシンボルとも言うべき「松江城」は、この連載で初めて目にした次第です。
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source : 文藝春秋 2019年10月号