歴史を学ぼう
10月号の総力特集「日韓断絶」は、我々に日韓関係を読み解くための多角的な視点を提供してくれた。
現在の「日韓断絶」の淵源は、日本は「華夷秩序」の縁にかろうじて浮かんでいる蛮族であるという、韓国人の優越感なのだろう。日本人を蔑んで叩くことを通じ、日本への複雑な感情を解消しようとする。
だが韓国人は、今日の日本を「蛮族」と侮ることはとてもできないことを知っている。それだけに、韓国人の間にはやり切れない感情が鬱積しているのだと思う。
文在寅大統領は、国中から猛反対を受けるなかで、疑惑の渦中にある曺国を法相に任命した。大統領は反日を煽ることで、この件の追及から逃れようとしているのだという。
一方の日本でも、一部の雑誌などが生産的とは思えない嫌韓論を展開している。こうやって、いたずらに国民やマスコミが騒げば、日本政府は外交の判断を歪めかねない。
このような状況の中で、「日韓断絶」を克服する解決策を見出すことは容易なことではないだろう。
このたびの特集で考えさせられたことは、平凡ではあるが、国民の一人ひとりが日韓の歴史を学び直すことが必要だということである。
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source : 文藝春秋 2019年11月号