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横浜、名古屋、京都も 統一地方選「無投票選挙」は過疎地特有の現象ではなかった

自治会、PTAのなり手が減少しているのと同根?

2019/04/21

 政令指定都市の議員選挙で無投票の選挙区が続出した。しかも横浜、名古屋、京都、広島、福岡といった大都市の中心部で無投票だったのだ。今回の統一地方選の驚くべき結果である。立候補者が少なく無投票となる選挙は、人口の少ない過疎地特有の現象のように言われてきたが、間違っていたのではないか。

 政令指定都市とは、人口50万人以上の自治体のうち、政令で指定された都市のことだ。日本で「大都市」と言われる市は軒並みこれに当たり、人口約374万人の横浜市から、70万人弱の静岡市まで全国に20ある。

 統一地方選では、このうち19市で道府県議選、17市で市議選があった。ところが、なんと道府県議選は14市40選挙区、市議選は6市7選挙区で無投票になったのだ。

©iStock.com

 ちなみに政令指定都市の市議選は、道府県議選と同じくおおむね行政区単位に設けられた選挙区ごとに行われる。

広島市では20人が無投票で当選

無投票だった選挙区

 無投票選挙区のラッシュとなった道府県議選で、最も深刻だったのは広島市だ。全8選挙区のうち6選挙区(中、南、西、安佐南、安芸、佐伯)で無投票だった。定数26のうち、20人が無投票で当選する異常事態だ。

 続いて無投票が多かったのは、5選挙区の京都市(上京、左京、中京、下京、南)だ。

 4選挙区は3市で、横浜市(西、中、金沢、都筑)、浜松市(東、西、浜北、天竜)、名古屋市(千種、南、中村、中川)。

 3選挙区も3市で、札幌市(豊平、南、清田)、さいたま市(南4区=北、南11区=緑、南12区=岩槻)、福岡市(東、博多、西)。

 以下、2選挙区が2市、1選挙区が4市だった。

道府県議選で全選挙区投票が行われたのはたった5市だけ

 逆に道府県議選で全選挙区投票が行われたのは、川崎市、静岡市、堺市、神戸市、北九州市の5市だけだった。

 4年前の前回2015年に無投票だったのは道府県議選で10市24選挙区、市議選は2市2区だ。双方とも激増していたことになる。

2回連続で無投票だった選挙区

 しかも、道府県議選では6市11選挙区が前回から連続して無投票だった。市議選で2回連続はなかった。

 なぜ大都市がこのような状況に陥ったのか。「政令指定都市は道府県並みに権限が委譲されているだけでなく、市の方が身近な課題を取り扱うので、道府県議より市議を希望する人が増えている」と理由づけするメディアや学者は多い。だが、これでは市議選も無投票が増えている現状を説明できない。

 では、無投票選挙区が多かった県の知事はどう見ているのか。