プリンスホテルが2600人分の料理を請け負う
天皇の隣の最上席が誰になるかも注目される。前回は皇室と親密な交流をもってきた長老格の、ベルギーのボードワン国王夫妻が着いた。外交儀礼でいえば、同じ元首でも大統領よりも国王(女王)が優先されるため、在位期間が長いスウェーデンのカール16世グスタフ国王(在位46年)のような欧州の元首が着くとみられる。
料理だが、前回は和食だった。外国人の賓客にはフランス料理が原則の皇室では異例だったが、サービスを考えてのことだ。数百人規模の招待客に、前菜から主菜、デザートまでコースごとにサービスすることはとても出来ない。しかし和食ならお盆に何品も盛って、事前に招待客の席に置いておくことも可能だ。
前回は外国人の賓客のために、ナイフとフォークも添えられた。飲みものは日本酒もあったが、フランスワインは不変で、白はブルゴーニュ地方、赤はボルドー地方の最高級で、祝宴の定番であるシャンパンも出された。今回もサービスを考慮に入れれば、常識的には和食にフランスワインとなる。
料理を担当するのはプリンスホテル。宮内庁の大膳課ではこれだけの規模の饗宴を請け負うことはできず、一般入札で同ホテルが落札した。計4回、2600人分の料理の予算は8420万円だが、22日の晩餐会にその多くが割かれる。
参列者へのあいさつは夜中までかかる見通し
食事時間は1時間。終わると両陛下は招待者と共に「春秋の間」に移り、食後酒を手に歓談される。この後、外国の参列者だけ「松風の間」に移り、両陛下が一人一人にお礼を述べる機会が設けられる。「皇室はいかなる国も平等に、最高のもてなしで遇し、全使節と言葉を交わし、感謝の意を表する」との姿勢を天皇、皇后は態度で示される。
今回は前回同様、終了は午後10時50分の予定だ。しかし前回、終わったのは夜中に近い午後11時半過ぎだった。今回は人数も前回より多く、延びる可能性が高い。
なお、残る3つの饗宴は国内の参列者向けで、最後の31日だけ駐日外国大使夫妻も招かれる。