文春オンライン

“UFOの人”矢追純一が認めた! 「イモトアヤコ、あいつ命張ってるよね」

矢追純一が語る「UFOとテレビ黄金時代」#2

2017/03/20
note

イモトアヤコは命張ってるよね

―― 矢追さんが日テレを辞められた後、ちょっと光るなと思ったテレビマンや番組というのはありますか?
 
 あんまり人のを見たことないから。

―― 今も全然テレビはご覧になってないですか?

 お笑いは結構見ますね。いわゆる有名なお笑い番組はみんな見てますよ。

ADVERTISEMENT

―― 日曜日の『世界の果てまでイッテQ!』はどうですか?

 あれはたまに見ます。

―― イモトアヤコさんが世界中に行かれてますね。

 うん。あいつ、命張ってるよね。

 

―― 『イッテQ』は日本テレビの番組ですけれども、今の日本テレビに対して何か思いはありますか?

 僕の中では日テレもへったくれもないもん。みんなイーブンだから、日テレだけひいきにしているわけでもないし。

―― 日本テレビが、矢追さんのDNAを引き継いでると感じる部分は?

 分からないけどね。どうでもいいですよ。人のやってることはその人の問題だから、僕がとやかく言う筋合いのものじゃない。その人それぞれの人生だからね。自分は自分の人生を生きていくしかない。それが唯一本職だからね。みんな本職を職業のことだと思ってるけど、職業なんてどうでもいい話じゃん。別に職業があんたじゃないでしょ、っていう話でしょう。結局、自分の本職は何かといったら、矢追純一という人間をやってます、ということでしかないからね。

1976(昭和51)年に来日した「謎の類人猿」オリバー君も矢追さんの「木曜スペシャル」で火がついた。康芳夫氏と企画を組んだのは? と矢追さんに聞くと「オリバーの時だけです」との答えだった ©時事通信社

 だから、ちゃんとしたポリシーを持って、自分なりに生きていくというので本来は精いっぱいなんですよ。仕事とか、本を読むとか、テレビを見るとかいうのは、全部付け足しだからどうでもいいじゃないですか。大した問題ではないよね。ただし、人にはそれぞれの生き方というものがあるので、それは尊重してあげないといけないよね。これが基本ですよ。人の生き方を尊重する。それで、自分を自由に生きていく。これしかないですね。

 自分に嘘ついちゃダメです。本音で生きないと生きてる意味ないから。今、本音で生きている人が少ないよね。みんな人のせいにして、言い訳だらけだよね。「世の中がこうだから」とかさ。

 

―― 番組論をお伺いしたつもりが、人生論にもなって、面白いお話をたくさん伺えました。ベールに包まれていた矢追さんの姿が、少しだけ垣間見えた気がします。

 番組ってやっぱり作り手の人間が出るものですよ。逆に言うと、作り手側の意思が反映してなかったら、それは番組とは言えないんだよ。自分が不在で、ただ視聴率とか世の中の潮流とか会社の意向とか、そういうので作ったらいかんのですよね。一応作品なんだから、自分の名前が出るんだから、それには責任を持たないとね。「予算がなかったから」とか、「上司がうるさいことを言ったから」とかっていう言い訳は効かない。そこを誤魔化すと、すべてがダメになります。自分を誤魔化すとね。

―― 番組をつくるのも人生を生きるのも、今この瞬間を真剣に、なんですね。

 僕も人のこと言えないけど、うわの空で生きちゃダメだよ。

 

やおい・じゅんいち/1935年、満州国新京に生まれる。中央大学法学部法律学科卒業。1960年に日本テレビ入社。「11PM」「木曜スペシャル」などを手がけ、特にUFO、超能力、超常現象、ネッシーなどをテーマにした番組で話題を作る。「宇宙塾」主宰。石川県羽咋市にある宇宙博物館「コスモアイル羽咋」名誉館長。著書に『ヤオイズム』など。
 現在、メルマガにて小説を執筆中。「ハードボイルドのアクションもの。UFOとか世界の裏側とかの情報が満載になってます」

写真=鈴木七絵/文藝春秋 

“UFOの人”矢追純一が認めた! 「イモトアヤコ、あいつ命張ってるよね」

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー