ポイントサービスは携帯電話事業者にとってみれば「解約を抑止するための道具」に過ぎないのだ。
「Tポイント」と「dポイント」を導入するレストランに話を聞いたことがあるのだが、「Tポイントは『プロモーションのためにチラシを作るから』などという理由で経費負担を求められることもあるが、その割にお客さんは来ない。一方、dポイントは無料でガイドブックに掲載してくれるし、お客さんの反応もいい」という。
結果、その店はTポイントから離脱し、dポイントに一本化した。
携帯電話事業者にとってみれば、ポイントサービスは顧客還元の一環なので、多額の予算をつぎこむのも厭わない。しかし、Tポイントはポイント事業が本業なので、加盟店からお金を稼がなくてはならない。
総務省規制による"金あまり"が追い風?
そんななか、KDDIは2月10日から、「au PAY」利用者に毎週10億円を7週間、総額70億円、一人あたり最大7万円分を還元するキャンペーンを提供する。かつて、「PayPay」が100億円のキャンペーンを手掛けたが、まさにそれに匹敵する規模感となっている。
KDDIのキャンペーン、はNTTドコモやソフトバンクなど他社ユーザーでも参加可能だ。
携帯電話事業者は、総務省がスマホの端末割引販売に規制をかけたため、お金が余りまくっているとも言われている。
携帯電話事業者は、莫大な通信料収入があるからこそ決済サービスとポイントサービスで他を圧倒できてしまう。今後は、携帯電話事業者同士が熾烈な争いを繰り広げていくことになるのだろう。