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戻れた人と戻れない人の違い

「基本的に1人で黙々とやる仕事ですから、コミュニケーションの機会が少なかったようです。自分から積極的に話すタイプではなかった。それがいまでは本当に明るくなり、教室でもムードメーカーです。

 放っておけばどんどん認知機能が落ちていくということもよく理解して、一生懸命プログラムに参加しています。そのおかげでしょう、参加者の中でも特に元気になったうちの一人です」(同前)

 高橋さん本人もこう語る。

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「一番役立ったと思うのは、会話をするようになったこと。話をすることで頭がはっきりしてきました」

 ここまで、元気に回復した人たちの体験談を聞いてきたが、残念ながら戻れない人もいる。戻れた人と戻れない人では、どこが違うのだろうか。

 前出の朝田氏はこう指摘する。

「他人となかなか話そうとせず引っ込み思案の人、全部自分で抱え込んでしまう人はなかなか戻ることが難しい。ですから夫婦のどちらかがデイケアに通う際に、一緒に来て夫婦並んで座ったりして、周囲と壁を作ってしまうようだと、ダメですね。

 話が出来なくても自ら輪に入ろうと努力する人は戻れるはずです。また、プログラムを恥ずかしがったり、逆にバカにする人などは難しい。とにかく楽しんで積極的に取組んでいる人が元気になっています」

©iStock.com

 仕事などでそれなりの地位があった人などは、家族が知られることを嫌い、家の中に閉じ込めてしまうケースも多いという。

「恥ずかしいとか、世間体が悪いとか。もうそんなことを言っている場合でも、時代でもありません。歳をとれば誰でも認知機能は落ちていきます。気づいた時点で食い止めるためにも、家族で助け合うことが重要です」(同前)

 MCIの段階で対処すれば戻れる。そのためには、まずは早期発見。そして現実を受け入れ、早期治療を心がけることが大切だ。

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 続きは『最新予防から発症後の対応まで 認知症 全部わかる!』に収録されています。